根拠のない“地震予知”も

Xでは「2024年8月14日に南海トラフは起こる」とした6年前の投稿だとする画像を貼り付けた投稿が、9日午後6時半までに2680万回以上、閲覧されています。

この情報に科学的な根拠は示されておらず、元となった投稿は「2052年から来ました」などとするアカウントが投稿していたものでした。

このほかにも「南海トラフの予定は8月11日」とする投稿も230万回以上、閲覧されるなど、特定の日時に南海トラフ地震が起きるとする根拠のない情報が広く拡散されています。

気象庁によりますと、地震の起きる時や場所、大きさを精度よく予測することは現在の科学的知見では難しく、「日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマと考えられる」としています。

また、8日に宮崎県で震度6弱の揺れを観測した地震について、過去の北朝鮮の核実験の際に観測した揺れについて説明する気象庁の記者会見の映像を引用して「人工地震だ」などと主張する偽情報や、雲を観測することで地震が予知できるとする誤った情報、さらに生成AIで作られたとみられる被害状況の偽画像も拡散されています。

災害の際には、偽情報や不安をあおるような情報が広がりやすく、注意が必要です。

専門家「災害時 デマは必ず広がる」

防災心理学が専門で、災害時に広がる誤った情報に詳しい兵庫県立大学の木村玲欧教授は、「何月何日に地震が起きる」とか「人工地震だ」といった情報は、大きな災害が起きた時に必ず出てくる「定番のデマ」だとして、拡散しないよう呼びかけています。

木村教授によりますと、災害時には不安になりやすく情報を精査する力が通常より弱くなるということで、南海トラフ地震臨時情報が発表されている間は不安になりやすく、根拠のない情報や偽情報が広がりやすい状況が続くおそれがあるとしています。

木村教授
「この間、まずは“災害時にデマは必ず広がる”と認識してください。根拠のない情報が流れるほど、社会の混乱は広がります。不安になる情報を見たときは、いったん気持ちを落ち着つかせ、公共機関など信頼できる発信元から出た情報か確認した上で、本当に拡散する必要があるか、判断してほしい」

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