気象庁によりますと、8日午後4時半すぎ、日向灘の深さ31キロを震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宮崎市の宮崎港で50センチの津波を観測するなど、九州から四国の各地に津波が到達しました。
また、この地震で宮崎県日南市で震度6弱の揺れを観測したほか震度5強を宮崎県と鹿児島県で観測しました。
その後も日向灘を震源とする地震が続いています。
気象庁は引き続き、地震から1週間ほどは最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。
一方、この地震を受けて気象庁は南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震が発生する可能性がふだんと比べて高まっているとして「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。
気象庁は、この情報が特定の期間中に必ず地震が発生することを伝えるものではないとしたうえで、巨大地震に備えて防災対策の推進地域に指定されている29の都府県の707市町村に対して地震発生から1週間は地震への備えを改めて確認してほしいと呼びかけています。
また内閣府などは家具を固定したり避難場所や家族の安否確認の方法をチェックしたりするほかお年寄りや体の不自由な人、小さな子どもがいる家庭や施設では避難に時間がかかることも想定されるとして、必要に応じて自主的な避難も検討するよう呼びかけています。
これまでのところ、ひずみの変化はふだん見られるもの以外に特段、観測されていないということで、気象庁は引き続き監視を続けることにしています。
地震調査委「日向灘で繰り返し起きている地震の1つと評価」
8日、宮崎県で震度6弱の揺れを観測した地震について、政府の地震調査委員会は、日向灘で過去に繰り返し起きているマグニチュード7クラスの地震の1つだと評価したうえで今後の地震活動に注意を呼びかけています。
8日、日向灘で発生した深さ31キロを震源とするマグニチュード7.1の地震では宮崎県日南市で震度6弱の揺れを観測したほか、宮崎市の宮崎港で50センチの津波を観測しました。
この地震を受けて政府の地震調査委員会は9日臨時の会合を開き、地震活動について評価結果をとりまとめました。
それによりますと、宮崎県南部では人工衛星による観測で東南東方向に最大でおよそ13センチ地殻変動が起きていたということです。
また、日向灘では気象庁にデータが残っている1919年から今回の地震が起きるまでにマグニチュード7クラスの地震が5回起きていて、今回も繰り返し起きている地震の1つだと評価しました。
さらに、過去の事例ではマグニチュード6クラスの地震が起きた際に同じクラスの地震がおよそ1か月半後に起きたこともあるということで、地震調査委員会の委員長で東京大学の平田直 名誉教授は「今後も地震が続くおそれもあるので気をつけてほしい」と呼びかけています。
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