8月に入って台風が立て続けに発生しています。この背景について、日本気象協会は、日本の南の海上に形成された『モンスーンジャイロ』と呼ばれる反時計回りの風の渦があるとみています。

今月に入ってから、8日に台風5号、11日に6号、13日に7号、8号と台風の発生が続いていて、台風5号は東北を直撃、7号については16日にも暴風域を伴って強い勢力で東日本や北日本に接近のおそれがあり、気象庁は東日本に土砂災害や河川の増水、氾濫などに厳重な警戒を呼び掛けています。

14日午前9時現在の台風進路図 気象庁HPより

立て続けに台風が発生するのはどうしてでしょうか…。

日本の南に台風が発生しやすい風の渦が…

日本気象協会によりますと、日本の南の海上では南西方向からの季節風と太平洋高気圧の縁辺を吹く東風が合流し、大きな低気圧(モンスーントラフ)が形成されています。この低気圧(モンスーントラフ)による反時計回りの風の渦が「モンスーンジャイロ」で、その中ではそれよりも小さい規模の渦が発生しやすくなり、東側で、台風が発生しやすくなっているというこです。

モンスーンジャイロによって、いわゆる「台風の卵」ができやすくなっているのです。

モンスーンジャイロで台風多発の過去も…

日本気象協会によりますと過去にも同じように「モンスーンジャイロ」ができて、立て続けに台風が発生した年があるといいます。

それは2016年です。

2016年にも、日本の南の海上に「モンスーンジャイロ」が形成されました。この年は、7月までに台風が発生した和は、今年と同じ4個でしたが、8月に7個、9月にも7個の台風が発生。結局この年は、26個の台風が発生し、6個が日本に上陸しました。これは、1951年の統計開始以来、2番目に並ぶ多さだということです。

また、この年の台風10号は、東北太平洋側に初上陸し、東日本から北日本にかけて広い範囲で大雨を記録。8月17日から1週間のうちに、3つの台風が連続して発生し、北海道などで道路・橋梁流出などの大きな被害が相次いだということです。

気象庁によりますと台風第7号は、14日午前3時には日本の南にあって、ゆっくりした速さで北東へ進んでいます。14日夕方から夜にかけて暴風域を伴って小笠原諸島に最も接近する見込みで、16日から17日頃にかけて、暴風域を伴って「強い勢力」で東日本や北日本に接近するおそれがあります。

14日午前10時半の衛星画像 気象庁HPより

気象庁は、東日本に土砂災害、低い土地の浸水や河川の増水や氾濫、暴風や高波に厳重に警戒するよう呼び掛けています。

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