19日午前3時に、沖縄県宮古島付近に発生した台風9号。

この影響で、記録的に暑い夜と朝になるおそれが出ています。

雨、風、高波の影響は限定的なのに・・・

19日午前3時に、沖縄県宮古島付近に発生した台風9号。気象庁の予報では、22日にかけて、ほとんど発達せずに北上し、500キロ以上離れている九州などへの雨、風、高波などの影響はあるものの、限定的とみられます。

一方、驚くべき予報となっているのが、最低気温です。何と、福岡の22日の最低気温の予想が、30℃、めったに見ることのない数字です。

「フェーン現象」と「放射冷却の妨げ」

その原因と考えられるのが、今回の台風9号による、「フェーン現象」と「放射冷却の妨げ」です。

フェーンとは、風が山を越えることで気温が上がる現象です。台風の周りを回る暖かく湿った反時計回りの風により、九州では南風となり、北部沿岸の都市の気温が上がりやすくなります。

さらに、21日の夜は、台風の周りの雲が九州にかかりやすくなるため、地表の熱が上空へ逃げる「放射冷却」が妨げられ、翌日の朝の気温が高いままとなります。

このような理由で、九州北部沿岸の福岡市での最低気温予報は30℃、北九州市が29℃、糸島市や下関市で28℃となっています。

日本記録は1年前新潟・糸魚川の31.4℃

実は、日本の「高い最低気温」の記録は、新潟県糸魚川で2023年8月に観測した31.4℃。これも、台風が要因の一つでした。

就寝中の熱中症に警戒を

台風9号、いまのところ雨風、高波などでは、九州などに大きな影響はありませんが、21日夜~22日朝にかけては、非常に過酷な熱帯夜をもたらすかもしれません。

眠っている間にも熱中症になることがあります。寝る30分前に水分補給し、就寝中にもエアコンなどを活用し、熱中症対策をしっかり行ってください。

RKB毎日放送 気象予報士 龍山康朗

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