山形県内では7月25日の記録的な大雨で河川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、3人が死亡したほか、多くの家屋が浸水被害を受けました。
最上川が氾濫した戸沢村では、浸水した住宅およそ300戸のうち、20戸が空き家とみられ、このうち1階の天井近くまで浸水した建物では、ボランティアが所有者の家族の立ち会いのもと、流れ込んだ泥やぬれた畳、家具などを運び出していました。
村によりますと、空き家の中には所有者と連絡が取れないため、片づけが進まないケースがあるということです。
さらに、避難した住民が戻らなければ、空き家が増えるのではと懸念しています。
戸沢村建設水道課の安食豊彦課長は「空き家は個人の資産で、所有者などと連絡がとれなければどうすることもできないが、なんとか所有者を探していきたい」と話していました。
空き家近くの住民「においや衛生面が特に心配」
戸沢村では、浸水した空き家の片づけが進まない中、住民から不安の声が聞かれました。
浸水被害にあってから1か月そのままになっている空き家の近くに住む、80代の女性は「においや衛生面が特に心配だ。空き家になる前に建物を解体するなど、問題が起きないようにしてほしい」と話していました。
自治会の役員を務める門脇忠夫さんは「においや感染症など、近隣住民としては心配だが、どうしようもない。私たちも被災していて、浸水した空き家をどうすればよいか判断できないが、今後の対応を村と話し合いたい」と話していました。
村の社会福祉協議会によりますと、浸水被害にあったままの空き家は倒壊する危険性があるうえ、ぬれた畳や家具が腐って悪臭が出たり、野生動物が入り込んだりする懸念もあります。
社会福祉協議会では、所有者が分かっている場合は連絡をとり、片づけなどの要望を聞き取っているということで、社会福祉協議会の安食江里さんは「今後も同じ地区に住み続けたい人が安心して住み続けられるよう、ボランティア活動を通じて地域の再生を手伝いたい」と話していました。
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