先の先まで想定を
Q 小さな子どもがいる家庭で、台風の接近前に意識すべきことは?
A 赤ちゃんや小さな子どもはなかなか我慢ができないということもあるし、「おなかがすいた」とか「つまらない」とかを耐えることは難しいので、親御さんは不安だと思います。
このため、今のうちから在宅避難で済むような場合のほか、ライフラインが途絶えて避難所に行く場合も考えられるので、先手を打って先の先まで備えておくことが必要です。
離乳食や使い捨ての哺乳瓶活用も
Q 具体的にはどのような備えが必要?
A 在宅避難で、水や電気、ガスなどのライフラインが多少途絶えたとしても、暮らせるような状態にするにはどうしたらいいのかを想定して準備するといいです。
これまでの災害では水やオムツの不足というのがよく言われていたので、特に水は多めに準備したほうがいいです。
また水が出ない場合に備えて、赤ちゃんの肌を清潔に保てるようにお尻ふきやウェットティッシュなどは多めに準備しておくといいと思います。
それと、調理せずに食べられる離乳食や消毒しなくても使える使い捨ての哺乳瓶などを3日分を目安に用意してほしいです。
赤ちゃんは特に我慢ができないので、食べ物は多めに用意するといいです。
あと、避難所など慣れない場所にいくと赤ちゃんや小さい子どもはすごく不安を感じるので、いつも使っているおもちゃや毛布など、ちょっとホッとできるものを持って行くといいと思います。
母子手帳のコピーやかかりつけ医の連絡先などを紙で準備
Q 妊産婦や小さな子と避難する際に特に大切なことは?
A 赤ちゃんの健康を守るうえでは、母子健康手帳に載っている情報がすごく大事です。
特に出生体重や妊娠経過、予防接種で何を受けているか、それと子どものアレルギー情報なども写真に撮って保管しておくとともに、紙に書き出したり、印刷したりしておくといいです。
いざという時は、親御さんも頭が真っ白になりますので。
医師や避難所の運営者にこれらを見せるだけで説明ができます。
それと赤ちゃんの調子が悪くなったときにすぐに連絡できるよう、ふだんから診てもらっているかかりつけ医の連絡先なども書き出して手元に置いておくといいと思います。
抱え込まず、頼り合うコミュニケーションを
Q 小さな子どもいると親も不安多いが、心構えで大切なことは?
A 大事なお子さんだからこそ、親の自分たちが守らなければいけないという気持ちになるのは当たり前だと思います。
ただ、自分たちの家族だけで乗り切ろうと思うのではなく、周りの人たちと情報共有しながら、励ましあいながら乗り切るというふうに考えるといいです。
1人だけだと「ちゃんと情報が取れているのか」とか「ほかの人が知ってることを自分は知らないんじゃないか」とか「もっといい方法があるんじゃないか」など、ついつい不安になりがちです。
でも、同じような家庭どうしで情報共有して「こちらにはこんなものがたくさんありますよ」と、お互いの備蓄状態を共有するなどすると心強くなる面もあります。
できるだけ早めに「台風接近してるね、怖いね。なにかお願いすることがあるかもしれない」など、近所の方やほかの家族とやりとりして、お互いに頼り、頼られるというコミュニケーションを今から始めておくと、不安も軽減されるのではと思います。
台風がどういう進路になるか分からないし、地域や建物によって被害の状況も違うかもしれないですが、「台風が接近中」という災害に備える状態というのは共通しているので、お互いに声をかけやすいような関係性を築いておくことが大切です。
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