最強クラスの台風10号。29日にかけて九州南部に接近、上陸する見込みです。影響は遠く離れた東海や関東にも及んでいて、各地で厳重な警戒が必要です。気象予報士・國本さんと一緒に詳しくお伝えします。(8月28日「Nスタ」午後4時40分ごろの放送より)

■“台風の特別警報”発表で最大級の警戒 「直ちに避難の判断を」

小笠原亘キャスター:
非常に強い台風10号について、気象庁は鹿児島県に“台風の特別警報”を発表しています。暴風・波浪・高潮の特別警報で、数十年に一度程度の勢力で、接近・上陸が予想される台風に警報が出されます。

2022年以来、4回目の発表で、発表される基準は、中心気圧が930hPa以下、または最大風速50m/s以上の場合です。

28日午後2時すぎ、気象庁は“台風の特別警報”発表に関する会見を行いました。

気象庁は「一部の住宅が倒壊するような猛烈な風が吹く見込み」で、「暴風が吹き出してからでは避難が難しくなる。暴風が吹き始める前に避難することが重要、まだ避難できていない方は直ちに避難の判断をしてください」と呼びかけました。

ホラン千秋キャスター:
最強クラスということなので、台風に慣れている地域でも、いつも以上の警戒が必要ですね。

萩谷麻衣子 弁護士:
速度がゆっくりだと長い間、風雨が襲いかかるので、土砂災害や河川の氾濫など、本当にいつも以上に気をつけなくてはいけないと思います。

井上貴博キャスター:
台風に慣れている地域に、警戒をどう促すかということも含めた早めの特別警報だったと思いますが、気象庁の会見からも、「言葉遣いが難しいのだろうな」と感じました。

今回の台風10号は2日ほど同じ場所で雨降り続くと予想されているので、線状降水帯に近い感覚で、いつもの台風と性質が違うと思っても良いのでしょうか?

國本未華 気象予報士:
勢力が強い台風は海が温まっている秋に多いのですが、今回は8月中に発生していて、異例の動きの遅さも特徴です。

雨は積み重なって地盤に染み込んでいきますので、危険度が高まりながら雨が降り続くというのが非常に危ない点だと思います。

■「最強に近い」台風10号 今後の進路や勢力は?

小笠原キャスター:
台風10号の今後の進路や勢力などに関して解説をお願いします。

國本気象予報士:
台風10号は午後4時時点で、鹿児島県の屋久島にかなり接近していて、非常に強い勢力を維持しています。

とにかく動きが遅くて、北にゆっくりというスピードです。このままじわじわと北上を続け、発達のピークを迎えるころに九州により近づく予想です。鹿児島県は、丸一日以上暴風域の中に入り続ける状況になりそうです。

中心付近では最大瞬間風速70m/sで、中心に近いところほど電柱などもなぎ倒されるような暴風が長い時間続くという恐ろしいことになりそうです。

午後4時30分現在、台風に伴う雨雲や中心付近の雨雲の他に、宮崎県などにも活発な雨雲がかかっている状況です。

中心に対して東側に非常に湿った空気が流れ込むので、九州南部や四国、少し離れた近畿地方や兵庫県付近にも活発な雨雲がかかっています。

小笠原キャスター:
今後の土砂災害にも警戒が必要ですね。

國本気象予報士:
午後4時20分現在の土砂災害の危険度をみると、宮崎県の一部と静岡県で紫色の表示、「避難を完了させた方がいい」ような状況です。

今後の予想雨量ですが、九州南部で記録的な大雨になる恐れがあります。28日(水)昼から29日(木)昼にかけて600ミリ。その後、29日(木)昼から30日(金)昼にかけて600ミリ、トータル1000ミリを超えるような雨量が予想されています。

大規模な河川の氾濫など、複合的に災害が起こる恐れがあります。土砂が流入して川がせき止められることも考えられますので、明るいうちに避難を完了させてください。

小笠原キャスター:
気象庁の発表によると、東海地方は9月1日(日)まで、警報級の大雨・暴風の可能性が高く、九州北部は31日(土)まで警報級の暴風の可能性が高いということです。

國本気象予報士:
30日(金)以降の動きがもう少し遅くなる可能性があるので、影響が長引く恐れを考えておいてください。

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<プロフィール>
気象予報士 國本未華さん
北海道室蘭生まれ、東京育ち
大学生で気象予報士、のちに防災士の資格も取得

萩谷麻衣子さん
弁護士
結婚・遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当

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