強い台風10号は8月29日午前、九州に上陸し、熊本県南部に最も接近しています。

午前11時現在、台風10号は天草市付近を北上していて、県内全域が暴風域に入りっています。予報円の中心を通った場合、今夜には県の北部再び上陸するおそれがあります。

暴風や土砂災害、高潮などに警戒

県内は未明から雨や風が強まり、最大瞬間風速は益城町で30.3メートル、人吉市で28.6メートルを観測しました。

消防によりますと、29日午前3時ごろ、氷川町の避難所から一時、家に帰ろうとした80代女性が転倒し、股関節付近を骨折したということです。また、午前11時すぎには、八代市にある商業施設の駐車場で70代の女性が風にあおられて転倒しけがをしたということです。

降り始めからの雨量は湯前町横谷で450ミリを超える大雨となっています。暴風や土砂災害などに厳重に警戒し、沿岸部は高潮にも警戒が必要です。

人吉市内の様子は

人吉市内を流れる球磨川は、前日の夕方に比べて水かさが増し、流れも早くなっています。

人吉市は暴風域に入り雨風が強くなっていて、時折立っていられないほどの風が吹き、雨粒が体に当たると痛いと感じるほどです。

球磨川の近くに住む住民は、「2020年7月の熊本豪雨と同じような被害が出ないか心配」と話していました。人吉市内全域には避難指示が出ていて、午前9時の時点で、205世帯295人が避難しています。

避難所の状況は

県内では37市町村に避難指示が出ていて、多くの人が避難所に身を寄せています。

県のまとめによりますと、午前10時時点で県内すべての市町村で避難所が開設されていて、あわせて8336人が避難しています。

台風が最も接近している天草市では、住民が不安そうな表情を浮かべていました。

避難した夫婦「風が強くて 山の上に家があるから怖くて」

一方、熊本市ではペット同伴の避難所も無料で開設されていて、犬や猫、インコが避難しているということです。

交通機関への影響

交通機関に影響が出ています。

「午前8時半の熊本駅です。普段はこの時間帯、多くの人の姿があるのですが、きょうは閑散としています。また、電光掲示板に列車の情報は何も書かれていません」

JR九州によりますと、九州新幹線は博多ー熊本間で上下線それぞれ3本ずつ運行しましたが、きょうはこれ以降、終日運転見合わせとなっています。県内の在来線は、全ての便が運転見合わせとなっています。

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