【台風10号】九州を北上 関東や四国で激しい雨 厳重警戒を

台風10号は午前4時には、大分県日田市付近をゆっくりとした速さで北東へ進んでいるとみられます。

中心の気圧は992ヘクトパスカル、最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートルで中心から半径390キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。

台風の北上にともなって西日本と東日本の広い範囲で活発な雨雲がかかり続け、30日午前3時までの1時間には
▽徳島県が上勝町に設置した雨量計で43ミリ、
▽国土交通省がさいたま市に設置した雨量計で42ミリ、
▽国土交通省が静岡県御殿場市に設置した雨量計で32ミリの激しい雨を観測しました。

また、29日午後8時半ごろには兵庫県南部、午後6時半ごろに香川県と徳島県北部にも一時、線状降水帯が発生しました。

台風の動きが遅いため九州などでは雨と風が長く続いていて、
▽宮崎県えびの高原では午前3時までの72時間で858.5ミリと平年の8月1か月分の1.4倍に達したほか、
▽大分県佐伯市では午前2時10分までの72時間に612ミリと、1976年の統計開始以降最も多くなり、平年の8月1か月分の2.4倍に達しています。

これまでの雨で宮崎県と鹿児島県、熊本県、大分県、福岡県、愛媛県、徳島県、香川県、静岡県、神奈川県、埼玉県、それに東京都では土砂災害の危険性が非常に高くなり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

気象庁によりますと九州北部と山口県、四国それに東海では30日にかけて線状降水帯が発生し、災害発生の危険度が急激に高まるおそれがあります。

台風から離れた東日本や西日本でも大雨となる見込みで、30日夜遅くまでの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▼四国で400ミリ、
▼九州北部と東海で300ミリ、
▼関東甲信で250ミリ、
▼中国地方と近畿で200ミリ、
▼九州南部で150ミリと予想されています。

台風の動きが遅いためその後も大雨は続き、31日夜遅くまでの24時間にはさらに
▼四国と近畿、それに東海で300ミリ
▼関東甲信で200ミリ
▼中国地方で150ミリと予想されています。

これに加えて9月1日夜遅くまでの24時間には
▼東海で300ミリ、
▼近畿と関東甲信で200ミリ、
▼中国地方で100ミリと予想され、各地で記録的な大雨となるおそれがあります。

台風の北上に伴い各地で風が強い状態が続いていて、西日本と東日本では31日にかけて非常に強い風が吹くおそれがあります。

30日の最大風速は
▼九州北部と四国で25メートル、
▼近畿と中国地方で23メートル、
▼九州南部で20メートル

最大瞬間風速は
▼九州北部、四国、中国地方、近畿で35メートル、
▼九州南部で30メートルと予想されています。

30日の波の高さは
▽九州北部と四国で7メートル、
▽九州南部と近畿で6メートル、
▽東海で5メートルと予想され、その後も広い範囲でうねりを伴った大しけが続く見込みです。

気象庁は非常に強い風や土砂災害、低い土地の浸水、川の氾濫、高潮に厳重に警戒するとともに、高波にも警戒するよう呼びかけています。

風や雨が急激に強まって災害の危険度が高まるほか、台風から離れた場所でも暖かく湿った空気の影響で大雨のおそれがあります。

周囲の状況が悪化しても避難場所までの移動が危険な場合があるため、近くの頑丈な建物や建物の高い階で崖や斜面と反対側の部屋に移動するなどして、安全を確保してください。