今後の台風の状況はどうなるのか、RCCウエザーセンターの 岩永哲 気象予報士と伝えます。
RCCウェザーセンター 岩永哲 気象予報士
きのう29日まで近づいてきたとき、かなり勢力が強くなったので “最強クラス” というのもあって、警戒が呼びかけられていたんですが、結論で言うと、九州に上陸して、そこでスピードが上がらずに、地上にいた時間が長いので予想以上にちょっと勢力が弱まったなというところなんですが、ただ、もう少し、やや強い雨とか風が吹くと思うので、完全に何もないということじゃなくて、注意はしてほしいなというふうに思うんです。
中根夕希 キャスター
広島への最接近はまだなんですね。
岩永哲 気象予報士
最接近より前からたぶん、今の状況の方が東寄りの風が吹きやすいので、ちょっと風が強いんじゃないかと思うんですが、現在地と進路を見ていこうと思います。
今、大分・国東市付近に中心があるということで、北東方向へゆっくり進んでいるんですが、このあと東寄り、もしくは四国の方にじゃっかん南に下がりながらゆっくり進んでいくと。だいたい時速10キロ~15キロから進んでいって、あす31日(土)朝にはまだ高知の沿岸部付近にあって、この時点でもまだゆっくりとしたスピードということで、非常に動きが遅いと。
中根夕希 キャスター
これだけ上陸して、時が経っているのにまだスピードが上がらないものなんですね。
岩永哲 気象予報士
そうですね。今、ちょうど台風のスピードが上がりにくい状況というのがあるんですが、そのあたりを説明します。
3日前からですけど、鹿児島の南までは台風の目もはっきりしていたんですが…
田村友里 キャスター
崩れましたね。
岩永哲 気象予報士
鹿児島に上陸したとたんにだんだん雲の色が消えていきました。鹿児島県で上陸してしまって、割と九州の沿岸部沿いに沿っていったので、地上にいる時間が非常に長かったと。要は台風っていうのは、エネルギー源は海面の熱とその水蒸気が台風に伝わっていって、それがエネルギー減となっているので、温かい海の上じゃないと発達できない。地上に行くと、海がないですからエネルギーが絶たれるので、だんだん衰弱していくと。
本当だったら日本付近で上陸しても動きが早かったら、そこまで衰えないうちに本州付近を縦断したりするので風が強かったり大雨になったりということがあるんですけど、ゆっくりゆっくり移動してきたので、ずっと長い時間、地上にい続けるので、その間に急速に弱まってしまったと。この弱まり方がたぶん当初の予想よりも急速で、なかなか動きがこれだけ遅くなることが3日前・4日前の段階では予想できずに、だから九州の南ぐらいでこの勢力で来ていたら、もうちょっと早く動いていれば九州以外の中四国・近畿あたりでもかなりの勢力で来る恐れがあったので、大事にならないように早めに気象庁も厳重な警戒を呼びかけいたというのもあって、いろいろ交通機関とかも計画運休などもあった。これはなかなか致し方ないのかなというところはあります。
田村友里 キャスター
気になるのが今後の影響、広島県はどこでピークが来るのか、もしくはもう来ないのか?
今後の雨の降り方の予想ですけど、ところどころ黄色い部分が30日午後にかけて
断続的に入ってくる予想。たぶん、このとおりにはならないとは思いますが、傾向としてはそういうことです。
広島全域でずっと大雨が降り続くということはないとは思いますけど、局地的には雨脚が強まったりするということがありますので、雨の方はまだ注意してほしいなと思います。
田村友里 キャスター
時間帯としては?
岩永哲 気象予報士
30日午後にかけて時々、雨脚が強まると思いますので注意してほしいなと。キキクルを見ても、土砂災害の危険度分布は、たとえば午前9時前後は赤い部分が広島市佐伯区あたりですけど、赤の大雨警報の警戒レベルの危険度にはなっています。これ、今はじゃっかん消えていますけど、さきほどの黄色い、やや雨の強いがエリアが来て、また降ったらすぐ警報レベルぐらいには災害の危険度は上がりますので、油断はしないでください。あと、小さな川とか、すぐに増水しますので雨の降り方には念のため注意はしてほしいなというような感じです。
中根夕希 キャスター
今、雨が降っていない、風が吹いていないとしても台風はまだまだ近くにはいるということで、雨や風など注意を続けるようにしてください。
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