台風10号は30日午前には大分県にあり、ゆっくりと北東へ進んでいます。9月1日には熱帯低気圧に変わる見込みですが、雨雲の動きには引き続き警戒が必要です。
【画像で見る】週末の東京の天気は?雨・風予想シミュレーション
「熱帯低気圧=安心ではない」 名前が変わるだけ、雨雲は残り続ける
台風10号は西日本に上陸した後、九州を横断しました。この後ゆっくりとした速度で四国へ進んでいく見込みです。
今後の大雨への警戒について、TBSウェザーセンター 片山由紀子気象予報士の解説です。
台風の中心付近の風は弱まってきていますが、風速15メートル以上の強風域が広いため、近畿地方まで風の影響が及んでいます。
この後、勢力を弱めながら東へ進み、9月1日(日)には大阪付近までやってきて、その時点で熱帯低気圧に変わる見込みです。
熱帯低気圧になっても安心はできません。というのも、台風は中心付近の最大風速が17メートル未満になると、熱帯低気圧に「名前」が変わります。つまり、中心付近の風が少し弱くなるだけで、台風が持っていた雨雲はかかり続けるため、大雨になりやすい状況には変わりありません。
台風の「右側」から吹く南よりの風がもたらす危険
九州からかなり離れた関東でもすでに大雨になっていますが、台風が少しずつ関東に近づいてきます。反時計回りに強い風を呼ぶ台風によって、関東地方には「南よりの風」が海から吹いてきます。そのため、湿った空気の影響で関東地方では週末も大雨となる可能性が高まる見込みです。
台風(熱帯低気圧)が通り過ぎるまでは関東に雨が降り続きそうで、最新の予報では9月3日(火)まで雨の予報です。
熱帯低気圧に変わると台風の予報円が表示されなくなるため、台風も熱帯低気圧も消えたように感じるかもしれませんが、雨を降らせる力は弱まらないので、警戒することをやめないでください。
すでに“ほぼ線状降水帯”が各地に 週末も大雨に警戒を
台風による雨は、短時間にザーッと降ります。通常、黒い雲がみえるなど、「雨が降ってきそう」と感じてから、雨が降ってくるまでに少し時間がかかると思いますが、台風による雨はいきなり強く降りますので、あっという間にびしょ濡れになるような雨となりそうです。これだけ雨が続いているので、がけ崩れや土砂災害が起こりやすい状況です。
川の水もかなり増水して、茶色く濁った水が流れています。氾濫する可能性もあります。今いる場所で雨が降ってなくても、川の上流部で雨が降って急に水かさが増してくることも考えられます。
週末は色々な場所で過ごすと思いますが、崖や川、川に近い公園には決して近づかないでください。自分の住んでる家の周りが何かいつもと違うなと思ったら早めに避難するようにしてください。家の前の道が川のようになってから、暗くなってからでは避難は難しくなります。明るいうち、早めに避難を検討してください。
【風・波・雨の予想】(30日・午前11時35分)
1時間に50ミリの雨 どのくらい?(気象庁提供)
・バケツをひっくり返したような雨
・寝ている人の半数が雨に気が付く
・道路が川のようになる
車を運転していても視界が悪くなり、見通しが悪くなるため非常に危険です。大雨が予想される場合は車の運転を控えることも検討してみてください。
自治体からの情報を確認し「レベル4」のうちに避難を
雨が降っている場合、自治体から出される避難情報も必ず確認しましょう。
レベル4「避難指示」は、対象となった住民全員が避難しなければいけません。レベル4のうちに避難することが重要で、絶対にレベル5「緊急安全確保」を待たずに、早めの避難をお願いします。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。