風弱まるも大雨の可能性

台風のメカニズムに詳しい京都大学防災研究所・横浜国立大学の伊藤耕介准教授は、台風10号について「台風として吹く風は弱くなっているがその周辺では雨が降っているほか関東や東海付近でも南から湿った空気が入る状態が続いていて、まだ大雨となる可能性がある」と指摘しています。

その上で「これまでの雨で地盤が緩むなどして少しの雨で災害が起こることも考えられる。もう一息、十分な危機意識を持っていただきたい」と呼びかけています。

ノロノロ台風 将来も発生?今後も想定を

今回の台風10号は偏西風に乗ることができず、九州に上陸しても速度を上げず、今後も紀伊半島沖にとどまる予想となっているなど、典型的な台風の進み方とは大きく異なっています。

伊藤准教授によりますと、温暖化が進むと偏西風の場所が北上し、台風の移動速度が遅くなるという研究結果があるということです。

伊藤准教授は「従来の研究でも懸念されていたが、台風10号は『速度が遅いとこんな事が起こるんだ』ということのひとつになってしまったと思う。研究が途上なので調べなくてはいけないことはたくさんあるが、太平洋高気圧に沿ったり偏西風に流されたりという、これまでの典型的な動きとは異なる台風がこれからも少しずつ出てくるかもしれない」と話しています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。