マリアナ諸島付近の熱帯低気圧 24時間以内に台風13号へ発達予想

現在、日本の南の海上には2つの熱帯低気圧があります。一つは沖縄周辺にある熱帯低気圧で、もう一つはマリアナ諸島付近にある熱帯低気圧です。

沖縄付近にある熱帯低気圧は、6日(金)までは熱帯低気圧だったものが、いったん低圧部となっていましたが、9日(月)になって再び熱帯低気圧になったものです。
この熱帯低気圧の影響で沖縄本島では9日に1時間100ミリを超える猛烈な雨が降った所もあります。
沖縄付近の熱帯低気圧はゆっくりと西へと進む予想です。

また気象庁は10日(火)朝、マリアナ諸島付近の熱帯低気圧が24時間以内に台風になる可能性があるとして進路予想の発表を開始しました。台風になれば13号となります。この熱帯低気圧はこのあと北西寄りへ進み、沖縄方面へと進む可能性があります。

週間予報支援図にある上空5500メートル付近の予想天気図を見てみると、今週前半と来週前半にかけては上空の夏の高気圧の勢力が異例に強まる予想です。このため日本のはる南の海上で発生する熱帯低気圧は北上できずに高気圧の縁に沿って北西寄りへ進むと見られます。

日本のはるか南の海上では対流活動が活発のため、この海域では上昇気流が強まり、それがその北側に張り出している夏の高気圧のあたり下降気流となっておりてくるため、高気圧の勢力を強めます。このため日本付近は9月中旬にも関わらず季節外れの猛暑が予想され、35℃以上の猛暑日となる地点が続出する予想です。

日本のはるか南の海上にある熱帯低気圧について、気象庁の週間予報支援図の地上天気図やアンサンブル予報の15日(日)時点の予想結果などをみると、気象庁はそれほど熱帯低気圧を発達させる予想は出していません。

【画像で見る】15日(日)までの雨・風シミュレーション

では海外の予報機関の予想はどうでしょうか。

アメリカ海軍 今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧へ発達予想 

アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)

アメリカ海洋大気庁が240時間先まで計算しているアンサンブル予想のうち、9月15日(日)9時の予想結果の一覧です。予想結果のうち一部のメンバーが「95W」をやや発達させて沖縄周辺の海域へと北上させているデータがあります。

ヨーロッパモデル 15日に沖縄周辺海域に進める予想も

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)

9月15日(日)にかけての予想を見ると、確率の高いエリアが北西方向へと移動していくのがわかります。台風または熱帯低気圧とみられる熱帯じょう乱が沖縄方面へ向かって北上する可能性があることが示されています。

【画像で見る】15日(日)までの雨・風シミュレーション

アンサンブル予想の結果をみると、アメリカモデル同様に、一部の予想結果では熱帯低気圧をやや発達させて沖縄の周辺へと進める結果もあります。

さらに海外モデルではこの2つの熱帯低気圧の“次の熱帯じょう乱”を予想しています。

2つの熱帯低気圧の “次の台風の卵”発生予想 日本列島へ北上の可能性

一方で、ヨーロッパやアメリカの予報機関による予想では、この2つの熱帯低気圧の次の熱帯じょう乱が予想されています。

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)

16日以降の予想をみると、新たに沖縄の南の海上に確率が高くなっているエリアが現れます。確率の高いエリアは北へと向かっています。日本列島へ向かって北上する可能性があることを示唆してます。


アメリカ海洋大気庁(NOAA)

ヨーロッパやアメリカモデルにおける20日(金)のアンサンブル予想の結果一覧をみると、日本列島のすぐ南や沖縄周辺の海域に、新たな熱帯じょう乱が進んできているメンバーが多くなっています。現時点では予報のバラツキが大きく、まだ確定的なことを言える状況ではありませんが、9月下旬にかけて、日本の南の海上では熱帯じょう乱の発生しやすい傾向は続くと見られています、今後の熱帯低気圧や台風情報にはご留意ください。

【画像で見る】15日(日)までの雨・風シミュレーション

※最終的には気象庁から発表される熱帯低気圧や台風に関する情報を参考にしてください。

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