海面水温は高くても 台風13号当初予想ほど発達せず
現在、日本の南にある台風13号は、1時間におよそ20キロの速さで北北西へ進んでいます。中心の気圧は992ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートルとなっています。
11日(水)9時に発表していた台風進路予想では、台風13号は13日(金)9時の時点で、中心気圧975ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートルとなり、暴風域を伴うと予想されていました。
ただ実際には発達できずに、むしろ勢力は若干弱まっています。13日(金)の衛星画像をみても雲域のまとまりはイマイチです。海面水温は非常に高いエリアを進んでいながら、なぜこの2日ほどはあまり発達しなかったのでしょうか。
上層には寒気を伴う低気圧が存在 ここ数日の台風の発達を抑えたか
13日(金)朝までは、沖縄周辺に海域の上層高い所にはー30℃以下の寒気を伴う低気圧(上奏寒冷低気圧=UCL)があったために、台風周辺の風向きが下層と上層で異なるなどして、台風が発達しにくい状況とだったことが影響していたとみられます。
気象庁(JMA)
この上層の寒気はあす14日(土)までに弱まるので、台風はこのあと発達をはじめながら奄美・沖縄方面へと進みそうです。
アメリカ予報機関 このあと台風13号を発達させながら奄美・沖縄方面へ
アメリカ海軍(JTWC)
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
アメリカ海洋大気庁(NOAA)
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行います。数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
台風13号の進路予想のコースのバラツキはわりと小さく、奄美・沖縄方面を通過して大陸方面へと進みそうです。
ヨーロッパモデル 台風13号の進路予想
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)
※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください
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