18日に沖縄地方に接近した台風14号は、20日午前9時現在、中国の上海市付近の華中にあって、時速20キロで北西に進んでいます。しかしこのあと、上空の強い西風=偏西風に乗る形になり、急に向きを東に変え、21日(土)午前9時には朝鮮半島の西の黄海付近、そして22日(日)午前9時には日本海で温帯低気圧に変わる予想です。

台風は暖かい空気だけでできた渦ですが、温帯低気圧は南の暖かい空気と北の冷たい空気とがぶつかることで発生・発達するもので、仕組みが異なります。今回は、台風が秋雨前線(これも暖かい空気と冷たい空気の境目にできます)に取り込まれるような形で日本列島に近づき、前線の活動を活発化させるため、連休前半は広い範囲で大雨となるおそれがあります。

気象庁が20日午前11時に発表した早期注意情報では、警報級の大雨となる可能性が21日(土)は山形と秋田で「高」となっているほか、北陸、中国、九州地方で「中」となっている所があります。22日(日)は北海道と四国を除く広い範囲で「中」となっていて、行楽などの際は大雨による影響・被害に注意・警戒が必要です。

強い風にも注意・警戒を

また、台風14号は現在の中心気圧が998ヘクトパスカルと、勢力としては特に強くないものの、台風は温帯低気圧に変わると強い風の吹く範囲が広がるという性質があります。22日(日)は九州、中国、北陸、東北地方で日本海側を中心に警報級の強い風となる可能性があるため、強風・暴風にも注意・警戒してください。

22日(日)午前6時の雨と風の予想 西日本や東北地方で活発な雨雲が予想されている。山陰沖の日本海には台風から温帯低気圧に変わる過程の風の渦巻きが見られる。

宮城県は、21日(土)~22日(日)は警報級の大雨となる可能性が「中」となっていて、20日から3日間トータルの雨量が100ミリ以上となる所も多くなりそうです。22日(日)は台風から変わった低気圧が近づくため南のち西寄りの風が強まり、波も4メートルと高くなるでしょう。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒し、強風や高波に注意してください。墓参りなど三連休のお出かけは最終日23日(月)の振替休日がおすすめと言えるでしょう。稲刈りも23日(月)が良さそうですが、それまでの雨の量によっては田んぼのぬかるんだ状態が続いたり、稲が倒れたりといった影響が心配されます。

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