自宅があった場所の周辺や、川の下流で、警察や消防、それに自衛隊が行方を捜す中、父親の喜三鷹也さんと妻は、23日も心配そうに様子を見守りながら、自分たちも土砂やがれきを取り除いていました。

鷹也さんによりますと、翼音さん以外の家族は全員外出していたということで、自宅が流される直前、翼音さんは自宅の2階にいたとみられています。

21日午前9時すぎ、家の状況が心配になった鷹也さんが翼音さんに電話をかけた際、「周りの川の水の量がすごい」と話したため、2階に移動して安全を確保するよう伝えたということです。

鷹也さんはその後も電話で連絡を取り、避難するよう伝えましたが、翼音さんは「もう逃げる場所がない。ドアも開かない」などと話していたということです。

そして、午前10時ごろ、電話がつながらなくなったということです。

翼音さんは、絵を描くことや歌を歌うことが好きで、きょうだいの面倒見がよく、将来は公務員を目指していたということです。

川の下流で流された住宅の屋根の一部などが見つかったということですが、翼音さんの安否の確認につながる手がかりなどは、見つかっていないということです。

22日、鷹也さんは「電話で話をしたのが最後のやりとりでした。2階に避難するよう伝えましたが、家まで流されてしまった。早く無事に見つかってほしい」と話していました。

中学校の同級生 直前までLINEでやりとり

喜三翼音さん(14)の中学校の同級生で、安否がわからなくなる直前までLINEでやりとりをしていたという男子生徒によりますと、翼音さんとのやりとりがあったのは、21日の午前10時前でした。

翼音さんが自宅の2階の窓からスマートフォンで撮影して送ってきたとみられる写真には、大量の土砂が周囲の建物を押しつぶしながら、すぐそばまで迫ってきている様子が写っていました。

この男子生徒が「家から出られなくなるじゃん」とメッセージを送ったところ、翼音さんから「多分そうかも」という返信があり、その後、連絡が途絶えたということです。

男子生徒は「母親から聞いて翼音さんと連絡が取れなくなっていると知りました。テレビの報道を見ているより、気持ちが落ち着くと思って現場に来ました。優しく、話していて楽しい子で、早く無事に見つかってほしいです」と話していました。

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