能登半島の大雨では各地で土砂災害が発生し、輪島市町野町曽々木では、裏山が崩れて土石流が発生し建物が倒壊しました。

土石流のメカニズムに詳しい京都大学防災研究所の竹林洋史准教授は、雨量データのほか大雨の前後の映像や写真などからメカニズムを分析しました。

土砂の動きをシミュレーションしたところ、秒速7メートルで移動し土石流としてはそこまで速くないものの、流れ下る距離が短いため発生から建物に到達するまでわずか33秒という結果になりました。

また、土石流が発生したのは9月21日の午前9時ごろとみられますが、20日からの累積雨量はレーダーの解析で167ミリと推計されました。

これまで、特殊な地質の地域を除くと土石流の発生はおおむね200ミリ以上で起きていることが多いとして、竹林准教授は今回、かなり少ない雨量の段階で土石流の発生につながったと指摘しています。

背景については、能登半島地震直後の地形データで、揺れで崩れた土砂が渓流の上流部にたまっていたことが確認できたため、この土砂が大雨とともに早い段階で流れ下り、土石流につながったとみています。

京都大学防災研究所 竹林洋史准教授

竹林准教授は「ほかの場所でも地震で崩れた土砂が渓流にたまっている場合は少ない降水量で流れ下る可能性がある。今後も、さらに早めに避難する判断が必要だ」と指摘しています。

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