珠洲市では、大雨で堆積した泥が乾燥して土ぼこりがたち、後片づけに追われる被災者からは、「目を守りたい」という相談が寄せられているということです。
そこで市は、石川県に粉じん用のゴーグルを要請し、救援物資の基地になっている体育館には、300個が届けられました。
ゴーグルは、顔に密着するようになっていて、メガネをかけたまま装着することもできます。
珠洲市は、10か所の避難所に早ければ1日から配付することにしています。
珠洲市は、「被災者にはゴーグルを活用してもらいたい。今後も後片づけや避難生活に必要なものは遠慮なく市に伝えてもらえれば対応していく」としています。
「輪島塗」の工房 再開見通せず 輪島
今回の記録的な大雨では、石川県輪島市の「輪島塗」の工房も浸水被害に遭い、製造できなくなっているところがあります。
このうち、輪島市の中心部河井町にある「市中漆器工房」は、創業70年あまりの工房で、2代目の父、市中泰雄さんと息子の雄司さんの親子2人で食器などを製造してきました。
今回の大雨で近くを流れる河原田川が氾濫し、作業場や倉庫のある工房は、床上まで水につかりました。
倉庫に保管していた、お盆や重箱などの商品も被害を受け、親子は汚れた商品を倉庫から取り出し、水で洗っていましたが、泥で表面に傷が付き、出荷できなくなる心配があるということです。
能登半島地震で壁がはがれるなどした上に浸水被害が重なり、工房の建て替えが必要だと考えていますが、再開の見通しは立っていません。
父親の泰雄さんは、「地震にも水害にも遭って正直がっくりきています。工房を建て替えるとしてもいくら補助を受けられるかも分からないので、今は再開のことは何も考えられません」と話していました。
「輪島塗」の漆器 ボランティアが洗浄 富山 高岡
富山県高岡市では、能登半島地震で被害を受けた「輪島塗」の漆器を洗浄するボランティアが行われていて、今後は大雨で被災した漆器も洗浄することにしています。
この活動は富山大学芸術文化学部の教員や学生が行っているもので、30日、高岡市の商業施設では学生や地元の住民あわせて6人が参加し、地震で倒壊した建物の中に残された漆器の汚れをスポンジを使って丁寧に拭き取りました。
学生などは、ことし5月からこれまでにおよそ4000点の漆器の洗浄を行っていて、今後は、大雨で浸水被害を受けた漆器を含む6000点あまりについても、対応するとしています。
富山大学芸術文化学部の安嶋是晴准教授は「地震に加え大雨の被害もあり、輪島の人たちのことを思うと心が痛みます。多くの人に洗浄に加わってもらうことで被災地の人たちに心を寄せている人がいるというメッセージを伝えていきたいです」と話していました。
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