一時は“猛烈な勢力”台風18号 ほとんど停滞で長く台湾周辺に
2日夜現在、台風18号は台湾近くの南シナ海にあってほとんど停滞しています。一時は猛烈な勢力まで発達した台風18号は、発達のピークは過ぎたものの、まだ非常に強い勢力となっています。
気象庁(JMA)
台風18号はこのあとも動きは非常に遅くほとんど同じような場所に停滞する予想で、台湾にかなり接近または上陸する可能性が高くなっています。勢力は次第に衰えて4日(金)には熱帯低気圧へと変わる予想です。
台風の進路は上空の風の流れによって大きく左右されますが、現在、台風18号の周辺には、台風を押し流すような風が吹いていないため、動きは非常にゆっくりとなっています。
このあとも台風を押し流すような上空の風はなく、台風は台湾付近でとどまるような形となる見込みです。「台湾にかなり接近または上陸する」、「動きが非常に遅い」、これが急速に衰えて熱帯低気圧になることに大きくかかわっているとみられます。
面積は九州とほぼ同じ 「富士山よりも高い山々」が連なる台湾
プレート境界に位置する台湾は、南北に標高の高い山脈が走っています。最も高い山は富士山よりも標高が高く4,000メートルに迫ります。
いくら上陸前に非常に強い勢力であっても、動きが非常にゆっくりで長い時間にわたって台湾付近にとどまっていると、エネルギーの供給が少なくなる上に、地形の摩擦の影響や高い山脈の存在で上空の風のバランスを大きく崩されるなどするため、急速に勢力は衰えるとみられます。
アメリカ・ヨーロッパも台湾を直撃後 急速に弱まる予想に
アメリカ海軍(JTWC)
台風18号は台湾を直撃する予想ですが、最大風速をみると上陸前はかなり強い勢力ですが、台湾上陸後は急速に弱まる予想となっています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
アメリカ海洋大気庁(NOAA)
アメリカ海洋大気庁はアンサンブル予報の結果について発表しています。「アンサンブル予報」は、数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
台風18号は台湾付近で動きがゆっくりとなったあと勢力は弱まる予想です。一部のデータには南シナ海方面に向かって南西へ進む可能性も示されています。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)
ヨーロッパの予想も台湾付近にとどまってから急速に勢力が弱くなる可能性を示しています。日本への直接的な影響はかなり小さくなりましたが、台湾への大きな影響はかなり懸念されます。
※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください。
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