全国的に、平年より気温の高い状態が続いています。このままいくと、今年の冬も暖冬になるのでしょうか?専門家によると、そのようにはならなさそうで、さらに日本の「四季」が大きく変わっているというのです。
今年の冬は「強い寒気が入ってくる可能性」
9月24日、仙台管区気象台は冬にかけての長期予報を発表しました。それによりますと、宮城を含む東北地方は、この冬は寒気の影響を受けやすく気温は平年並みとの見通しが示されました。
仙台管区気象台 加茂祐一主任予報官:
「昨年(前の冬)よりは全体的に気温が低いだろうということで、強い寒気が入ってくる可能性があると思います。そういう時は水道管の凍結など低温に対する備えが必要になると思います」
10月の気温は平年より高いとみられることから、涼しい秋が短く、急に冬の寒さがやってくる可能性があります。
気象学が専門の三重大学の立花義裕教授は、近年は季節の進み方が変化していると指摘します。
日本は「二季」の国になった!?
三重大学 立花義裕教授(気象学):
「長~い夏と、ちょっとだけ春と秋があって、あとは冬がしっかりあるという、夏と冬の二季の国になっていっているという風に思います」
グラフは、日本全体での夏の平均気温の変化を1990年から表したものです。
ここ30年あまりで、だんだん高くなる傾向で、特に近年は厳しい暑さの夏が増えていることがわかります。
冬の気温も上昇傾向…ではなかった!?
ところが、冬の気温を見てみると、暖冬の年もある一方でかなり寒い年もあって、90年代からあまり変わっていません。
偏西風というのは、北半球では南側の暖かい空気と北側の冷たい空気との境目に流れる上空の強い西寄りの風のことです。
温暖化で偏西風が蛇行し「二季」に!?
立花教授によると、温暖化すると偏西風が蛇行しやすくなり、夏は日本付近で北に蛇行して暖かい空気に覆われやすくする性質があります。
偏西風が夏と冬とで逆向きの蛇行をするのは、日本の西側には大陸があり、大陸は海に比べて夏は暑くなりやすく冬は冷えやすいからなのだということです。
立花教授は、いま日本付近の海水温が平年よりかなり高いため、この状態で強い寒気がやってくると雪雲が急発達して大雪になるおそれがあり注意が必要だとしています。
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