2019年10月の台風19号による大雨で、県内では長野市を流れる千曲川など6つの河川で堤防が決壊して災害関連死を含む24人が亡くなり、住宅8300棟余りが浸水しました。

災害から今月で5年になるのを前にNHK長野放送局は、大きな浸水被害を受けた長野市長沼地区の人たちを対象に生活再建や復興の状況に関するアンケートを行いました。

アンケートは先月から今月にかけて長沼地区の660世帯余りに質問用紙を郵送したり、直接聞き取ったりする方式で行い、8日までに182人から回答を得ました。

アンケートでははじめに、生活が台風19号の前の状態にもどったか聞きました。

その結果、
▽「はい」が62%だった一方、
▽「どちらともいえない」が23%、
▽「いいえ」が13%でした。

また、日頃から水害に対する不安を感じるかどうか尋ねたところ、
▽「常に感じる」が56%、
▽「時々感じる」が39%、
▽「ほとんど感じない」が4%で、回答した人の9割以上が水害への不安を感じていることが分かりました。

「常に感じる」または「時々感じる」と答えた人からは、雨が降ると工事中の土手が不安になるといった回答や、高齢の母親と暮らしていて避難について心配、といった回答がありました。

また、心身の状態はもとに戻ったか尋ねた質問では、
▽「ほぼ回復した」が71%、
▽「あまり回復していない」が22%、
▽「ほぼ回復していない」が6%でした。

「回復していない」と答えた人からは、夜に雨の音がすると眠れない、何事にも気合いが入らない感じがするという声が寄せられ、回答した人のおよそ4人に1人が不安や心の変調を感じていることが分かりました。

この結果について長沼地区住民自治協議会の住田昌生事務局長は「住宅やインフラの改修などは進んだ部分もあるが、水害への不安や精神的な負担など、見えない部分の地域課題は依然として多くあり、今後のケアにつなげていきたい」と話しています。

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