「紫金山・アトラス彗星」が日本各地で観察され、話題となっています。12日・13日と地球に最接近したのですが、16日(水)~20日(日)頃が最も観察しやすい時期とされています。
日没の1時間後、西の空が観察のポイントとなりますが、宮崎ではどのように見えるのでしょうか?
MRTのテレビ・ラジオで天気情報を担当する気象予報士、野田俊一郎さんに話を聞きました。
(聞き手:加藤沙知アナウンサー)
野田俊一郎 気象予報士
「紫金山・アトラス彗星」、私も見たかったのですが、12日(土)・13日(日)、宮崎市内はちょうど彗星見えてくる時間くらいに雲が広がってしまいました。
加藤沙知アナウンサー
都城のたちばな天文台で撮影された映像を提供いただきましたが、本当に綺麗に写っています。
そもそもですが、映像では彗星が流れるように見えていますが、彗星と流れ星は何が違うのですか?
野田俊一郎 気象予報士
この映像は午後6時過ぎから大体1時間近くの写真を、20秒間にギュッと縮めて流していますので、動いているように見えるのです。
彗星は実際に肉眼で見ると止まっているというまず大きな違いがあります。
流れ星は、宇宙空間の小さな小石のような粒が地球の大気に流れ込んで、地球の大気との摩擦で光って見える現象です。
一方で、彗星は、太陽の光を、この彗星そのものや星の周囲にある塵などが反射して、宇宙空間で光って見えているという大きな違いがあります。
加藤沙知アナウンサー
流れ星は地球で光って、彗星は宇宙空間で光っているということですね。
「紫金山・アトラス彗星」ですが、この後もまだ見ることができますか?
野田俊一郎 気象予報士
晴れてくれば、今週もチャンスはあるかなと思っています。
ここで一つ、晴れた空で、夕方、見間違えやすいものがありますので、紹介します。
こちらは、視聴者の方に送っていただいた写真ですが、何だと思いますか?
加藤沙知アナウンサー
これこそ流れ星ではないですか?
野田俊一郎 気象予報士
確かにさっと流れているようにも見えますけれども、これは、夕方に西の空が晴れていると日常的に見えるもので、実は「飛行機雲」です。
飛行機があって、小さい短い飛行機の雲が夕日を受けて光っています。
残念ながら、これぐらい明るい空だと、彗星はこんなにはっきりとは見えてきません。
ただ、晴れていますから、このまま晴れのまま、もっと暗くなってくれば、彗星が見えるかもという空だったのではないかと思います。
加藤沙知アナウンサー
彗星はどういったところで見えるんですか?
野田俊一郎 気象予報士
今週の見え方ですが、この前の土日(12日・13日)よりも、見える位置がだいぶ高くなってきます。午後6時50分ぐらい、しっかり暗くなった空で、16日でも見える高さが10度を超えますし、今度の日曜日、20日には30度の位置ですから、結構見やすいところにはなってきます。
加藤沙知アナウンサー
ただ、問題は晴れるかどうかというところですよね?
野田俊一郎 気象予報士
晴れていれば見やすくなるのですが、今週はこの前の土日(12日・13日)よりは彗星の明るさがどんどん暗くなっていきますので、彗星自体が見えにくくはなるかもしれません。
週間の天気予報を見ると、雲の多い天気が予想されており、彗星の観察には残念な予想が出ています。
20日の日曜日には晴れ間も予想されていますので、高気圧が頑張って、何とかチャンスを作ってほしいと願っています
※MRTテレビ「Check!」10月15日(火)放送分を再構成
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