火曜午前までに台風20号(チャーミー)発生へ 10月2個目の台風に
21日午後9時現在、フィリピンの東の海上では熱帯低気圧があります。中心付近の最大風速は15m/sですが、気象庁は22日午前9時には最大風速を18m/sと予想しています。熱帯低気圧の中心付近の最大風速が17.2m/sを超えて台風の基準を超えて台風となるとしています。台風となれば台風20号となります。アジア名はチャーミーでこれはベトナムが提案した名前でバラ科の花の名前を意味するそうです。
気象庁(JMA)
台風20号はこのまま西から北西よりに進む予想でフィリピンを横切って南シナ海に進むとみられています。
台風進路予想とは別の計算モデルによる雨・風シミュレーションを見てみましょう。
26日以降の進路予想をみると、大陸に上陸したあとに東向きへと進路を変えて日本列島に向かってUターンしてくる可能性があります。台風ではなく低気圧となったと来週に日本列島に接近して雨を降らすこともありそうです。
アメリカ・ヨーロッパ 海外モデルの台風20号進路予想は
アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)
21日午後の時点で、台風20号の進路予想を発表しています。気象庁と同じような進路予想となっていてフィリピンを通って南シナ海方面へと進む予想となっています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
また台風20号の東にある別の雲域について「97W」として黄色い丸で示されていますが監視対象となっています。JTWCでは定めた基準以上に発達する雲のまとまりができると、LOW(黄)→MEDIUM(オレンジ)→HIGH(赤)へとレベル分けして情報を発表します。赤色になると24時間以内に定めた基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性が高いことを示しています。
LOW(黄):監視対象ではあるが、今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性は低い
MEDIUM(オレンジ):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性も高まっているが、発達するには24時間以上かかる見込み
HIGH(赤):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する見込み
アメリカ海洋大気庁(NOAA)
アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報結果です。「アンサンブル予報」は、数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
台風20号の進路は気象庁やアメリカ軍と同じように西寄りへと進む予想です。
またアメリカ軍が「97W」として黄色い丸で示していた雲域についても進路予想を発表しています。こちらはそれほど発達しない予想となっていますが、まだ予報にかなりバラツキがみられます。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)
ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル予報の結果です。こちらも日本やアメリカの予想と同様に西寄りへと進んだあとに最後に向きが東寄りへと変わる可能性が示されています。
当初は日本やヨーロッパモデルの予想では台風20号は北上して南西諸島方面へと進む可能性を示すデータもありましたが、21日夜の時点では、日本・アメリカ・ヨーロッパの予報機関ともに西寄りへと進んで南シナ海方面に進む予想でそろっています。
これまで見てきた中では、南シナ海まで進んで向きを東に変え、その後温帯低気圧となって日本列島に影響を与える可能性はありそうですが、フィリピンの東海上から北上して台風のまま日本列島に直接的な影響を与える可能性はなさそうな予想となっています。
※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください。
台風20号は10月2個目の台風に 平年なら10月に3個以上発生
平年の値でみると、台風シーズンのピークは8月から9月ですが、10月でも発生個数は7月と同じくらいの個数があります。10月の平均発生個数は3.4個で、日本列島に接近する個数は1.7個となっています。
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