25日午前6時、日本のはるか南のマリアナ諸島付近で台風21号が発生しました。風速15メートル以上の強風域が半径650キロあり、大型の台風となっています。このあと次第に発達しながら西寄りに進んだあと、28日(月)から暴風域を伴うようになり向きを次第に北寄りに変え、30日(水)には沖縄の南の海上に強い勢力で進んでくる予想です。

台風予報として進路が出されているのはここまでですが、気象庁の週間予報の資料を見ると、1週間先の11月1日(金)は南西諸島のあたりに気圧が低いことを示す「L」の表示があり、これが台風21号とみられます。

気象庁の専門天気図。網掛けの部分は降水が予想されるエリアを表す。

この資料は、計算の初期値を少しずつずらした多数のシミュレーション結果を平均化したものです。こうしたことから、台風21号は来週末頃、日本列島にかなり接近してくることも予想され、上陸する可能性も考えられます。過去に11月に日本に上陸した台風は、1951年の統計開始以来、1990年11月30日に和歌山県に上陸した台風28号だけしかなく、上陸すれば2例目となります。

秋雨前線が活発化する?

また、来週にかけては秋雨前線が本州の南岸付近に停滞しやすく、台風が近づく前から台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発化することも予想されます。

30日(水)の雨と風のシミュレーションの一例。台風から離れた本州に秋雨前線による強雨域が予想されている。

今週は宮崎県で線状降水帯が発生するなど、九州南部では記録的な大雨となった所もありましたが、来週にかけても大雨となる所があるかもしれません。今後の情報に注意してください。

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