松山市緑町の飲食店の店主、竹田利宣さん(66)は、およそ30年前から営業を続けてきましたが、ことし7月の土石流で店内に大量の土砂が流れ込み、壁や冷蔵庫などの設備が壊れ、休業を余儀なくされました。
自宅も被害を受け、竹田さんはホテルでの避難が長引いたうえ、店の復旧に多額の費用もかかることから、一時は廃業も考えたといいます。
しかし、常連客から再開を望む声が相次ぎ、自分で壁のひび割れを修繕したり、客からの寄付金を活用したりして、28日、3か月半ぶりに再開しました。
竹田さんは開店の4時間以上前からちゅう房に立ち、たいを使った蒸し料理などの和食ランチや、常連客に人気のカレーなどの準備を進めました。
そして、開店の時間にのれんを出すと、常連客が店を訪れ、「おめでとうございます」「元どおりですね」などと竹田さんに声をかけていました。
1番に駆けつけた60代の男性は「店を再開すると聞いたときは安心しました。日常が戻ってきたなという感じがします」と話していました。
被災前にはほぼ毎日通っていたという40代の女性は「災害の直後はなかなか来ることができませんでしたが、きょう3か月ぶりに再開すると聞いて、駆けつけました。前と変わらない味でおいしいです」と話していました。
近くの大学で勤務する常連の男性は「この店が休業したことで、昼ごはんを食べるところがなくて困っていた人がたくさんいました。これを機に店を閉めようとおっしゃっていましたが、めげずに再開してくれて、みんな喜んでいると思います」と話していました。
竹田さんは「支援してくれた皆さんのおかげで再開でき、いつもの光景が戻ってきたようで、ほっとしました。できるだけ長く店を続けたいです」と話していました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。