台風21号は発達ピーク 台風の目ハッキリ “猛烈な勢力”へ
台風21号は、30日9時にはフィリピンの東にあって、1時間におよそ10キロの速さで西北西へ進んでいます。中心の気圧は925ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルで大型の非常に強い勢力となっています。
衛星画像を見ても中心付近の台風の目がハッキリしていて、発達した雨雲がぎっしりとまとまって円状になっています。今が発達のピークを迎えているとみられます。
台風の中心は、12時間後の30日21時には沖縄の南の海上に達し、猛烈な台風になる見込みです。中心の気圧は915ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルが予想されます。
台風はかなりの強い勢力のまま台湾を直撃した後は進路を東寄りへと変えて東シナ海方面へと進む予想です。先週までの予想ではもっと東寄りを北上して本州付近へと接近する可能性を示唆する予想データもありましたが、予想よりも大回りとなって台湾に直撃する予想となりました。上空の高気圧が先週までの予想よりもさらに強まるために台湾方向へと進むようになっています。
アメリカ・ヨーロッパなど海外予報機関の進路予想は
アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)
台風21号についての進路予想をみると、大きくは気象庁の予想と同じような傾向となっています。すでに最大風速は125ノットとなっていて、31日には最大風速は135ノットの予測でピークとなっています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
アメリカ海洋大気庁(NOAA)
アメリカ海洋大気庁の台風21号に関するアンサンブル予報結果です。「アンサンブル予報」は、数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)
ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル予報結果です。
※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください。
アメリカやヨーロッパなど海外予報機関の進路予想を見ても、台湾をかなり強い勢力で直撃したあとに進路を東寄りにかえて日本列島付近へと進む予想ですが、勢力はかなり弱くなる予想で、台風のまま接近する可能性は小さくなっています。
【画像で確認】非常に強い勢力で台湾直撃か その後は東へ急カーブ 雨・風シミュレーション
ただ台風から低気圧に変わったとしても暖かく湿った空気を引き連れてやってくるために、本州付近に停滞する秋雨前線の活動を活発にさせるおそれがあります。11月スタートの時期としては季節外れの大雨となる所も出てくる予想です。
11月スタートは季節外れの大雨に 台風由来の暖湿空気+秋雨前線で
台風21号は九州の西の海上へ進んでくるころには温帯低気圧に変わっている予想です。一方で11月1日から3日にかけて東日本や西日本付近にのびる秋雨前線と一帯となって東へと進み、暖かく湿った空気をもたらすために前線の活動を活発にさせるおそれがあります。
この時期にはあまりないような暖かく湿った空気の流れ込みが強まるために季節外れの大雨となるおそれがあります。場所によっては警報級の大雨となる所も出てくる予想です。雨の降り方にはご注意ください。
【画像で確認】西日本から東日本は11月はじめに“季節外れの大雨”おそれ 3連休に「警報級大雨」も
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