この報告書は、イギリスなどおよそ120人の研究者でつくる国際チームが気候変動が、健康に与える影響について、30日にイギリスの医学雑誌「ランセット」に発表したものです。
この中で、観測史上、最も暑かった2023年、極端な暑さに関連して死亡する65歳以上の高齢者が相次いだとしています。
具体的には、亡くなった人の数を1990年代の年間平均と単純比較すると2.67倍だったと指摘しています。
蚊が媒介する伝染病のデング熱に、ヒトスジシマカから感染するリスクについて、2023年までの10年間は、1951年から1960年と比較して46%増加しているとしています。
2023年は、世界80を超える国や地域から500万件以上のデング熱の感染が報告され、過去最多だったということです。
さらに、熱波や干ばつによる食料不足も深刻で、気候変動が人々の命や健康に深刻な影響を与えていると指摘しました。
研究チームは、各国の政府による補助金や企業の投資を背景に、化石燃料の利用で排出される二酸化炭素の量が2023年は過去最大だったとして、こうした資金を温暖化への対策や、人々の命を守る取り組みに充てるべきだと呼びかけています。
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