スペイン東部のバレンシア州などでは10月29日から30日にかけて、記録的な大雨による洪水が発生し、車や橋が流されるなど甚大な被害が出ています。

地元メディアによりますと死亡が確認された人は、これまでに217人に上っていますが、浸水している地下の駐車場など捜索が進んでいない場所もあり、今後、さらに増える可能性も指摘されています。

こうした中、スペインのフェリペ国王とレティシア王妃が3日、60人以上が死亡するなど大きな被害を受けたバレンシア州パイポルタを訪れたところ、支援の遅れなどに不満を募らせた一部の住民が国王夫妻に向かって泥を投げつけたり、大声をあげたりして抗議しました。

夫妻は警備の担当者に守られながら被災者と対話を続けましたが、あたりは騒然としていました。

AP通信は「国民から好かれているというイメージを大切にする王室にとって前例のない出来事だ」などと伝えています。

被災地では、軍や警察などが態勢を強化して行方がわからない人の捜索や大量の土砂の撤去作業などを行っています。

ただ、交通網が寸断され、水や食料などの支援が十分に届いていない地域もあり住民の間で不満が高まっています。

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