2024年は台風1号の発生が5月26日と統計開始以来7番目の遅さとなりましたが、その後は次第に発生のペースが増えてきました。11月に入っても22号が4日に、23号と24号がともに9日に発生していて、11日午前9時現在では3つの台風「トリプル台風」が南海上にあります。
最も西にある台風22号は南シナ海からゆっくり南西方向に進む見込みで、12日午前9時にはベトナムで熱帯低気圧に変わる予想です。
強い台風23号は間もなくフィリピン北部のルソン島に上陸する見込みで、その後15日午前9時には南シナ海で熱帯低気圧に変わる予想です。台風22号も7日にルソン島北部をかすめたほか、10月24日には台風20号もルソン島に上陸していて現地では多くの犠牲者が出ました。フィリピンは2013年11月に台風30号で甚大な被害が出たように、この時期は台風の襲来が多いのですが、特にこの秋は台風の上陸が相次いでいます。
台風23号と同時に発生した台風24号は、南鳥島近海から西寄りに進み、14日午前3時にはマリアナ諸島で熱帯低気圧に変わる予想となっています。
さらにここにきて、フィリピンの東にある熱帯低気圧が11日午後9時までに台風に発達する予想となってきました。
「クアドラプル台風」現る?
台風になれば25号となり、今月4つ目となります。台風22号から24号とあわせて4つの台風、いわば「クアドラプル台風」が同時に存在することになれば、2017年7月23日以来7年ぶりで、11月としては1951年の統計開始以来初めてとなります。こうした台風が発生している海域はまだ海面水温が30度近くあって、台風ができやすい環境が整っているものとみられます。
この新たな台風は発達しながら西寄りに進み、15日頃には暴風域を伴った状態でまたもフィリピン付近へ進む予想となっており、その後北上して台湾や沖縄の先島諸島方面に近づくおそれがあります。8日から10日にかけては鹿児島県や沖縄県で記録的な大雨となりましたが、こうした現象には台風22号周辺の暖かく湿った空気が間接的に影響していた可能性もあります。新たな台風も南西諸島に影響を及ぼすことが考えられ、今後の動向に注意が必要です。
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