週末に本島北部を襲った大雨は、降り出しからの降水量が東村で656.0ミリ、国頭村奥で520.0ミリとなり、記録的な大雨となりました(7日午前0時から11日午前9時まで)。なぜこのような大雨になったのか。天気図で詳しく見ていきます。

9日(土)未明の天気図では、南シナ海に台風22号があるものの、一見、沖縄付近には前線や低気圧など、大雨の原因となる目立ったものがありません。(画像参照)

9日午前3時の気圧配置(気象庁HP資料にRBCが加工)



ただ、少しわかりにくいですが東シナ海で少し等圧線が盛り上がっている部分があります。「気圧の谷」です。このエリアが雨雲の発生源となりました。

この「気圧の谷」で南東の風と高気圧のふちを回る東南東の風がぶつかり、また風が弱かったために、同じ場所で雨雲が発生し続けました。

今回、その場所が奄美から本島北部だったため、この地域で大雨となりました。

気圧配置だけではない理由も

ただ、この気圧配置だけでここまでの大雨になるというのは難しいところがあります。大雨をもたらした別の理由には、今年の「異例の暑さ」があります。

今、日本の南の海上では台風が3つ、そして熱帯低気圧が1つ発生していますが、11月中旬でもこれだけ台風が発生しているのも、あまりにも季節の歩みが遅いことの表れです。

それだけ季節外れの高温の影響で、大雨を降らせるポテンシャルが高い状況であったなかで、同じ場所で風の収束が起こり、雨雲が発生し続けたということが、今回の記録的な大雨につながったと考えられます。(RBC気象予報士 松澤まゆ)

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