輪島市の避難所となっている輪島市小伊勢町の大屋公民館の館長久堂寛久さん(74)は、地震で自宅が半壊し、自らも公民館で避難生活を送っています。
地震発生直後、帰省していた人や観光客を含めおよそ160人が身を寄せたこの避難所では、今もおよそ30人の住民が生活していて、夜は段ボールベッドで寝ています。
また、下水道が復旧していないためトイレは水が流せず、凝固剤を使うタイプの簡易トイレを使っているほか、風呂は、週に数回、自衛隊が入浴支援を行っている場所まで車で通って利用しているということです。
輪島市は、市内の避難所について8月末までに閉鎖したいとしていますが、久堂さんを含む避難者の多くは、仮設住宅に入居できる日の見通しは立っていません。
久堂さんは、「まだまだ復興が進んでいない状況を見るとさみしい思いがします。仮設住宅もできあがらず、8月いっぱいまで頑張らなければいけないと思う」と話していました。
避難先から仮設住宅に入居した人は
一方で仮設住宅の建設が進み、避難先から地元に戻って入居する人も増えています。
石川県珠洲市蛸島町の木挽松子さん(80)は、地元に完成した仮設住宅に4月中旬に入居しました。
地震で自宅が全壊したため、それまでは県南部の白山市に避難していたということです。仮設住宅には家族4人で暮らしていて、木挽さんは、住み慣れた地域で少しずつ落ち着いた生活を取り戻していきたいと考えています。
同じ仮設住宅に入居した近所の人たちと再び顔を合わせるようにもなり、集まって世間話をするなどして気分転換もできているということです。
木挽さんは「避難先での生活に不自由はありませんでしたが、絶対に珠洲市に戻って来たいと思っていました。近所の人たちとも仲よくして楽しく暮らしていきたいです」と話していました。
石川県は、奥能登地域を中心に県内で6421戸の仮設住宅が必要になると見積もっています。先月までに3300戸あまりが完成していて、県は、8月までには希望する被災者全員に入居してもらえるよう建設を進めています。
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