4月13日(土)・14日(日)は、九州北部から北海道にかけて広い範囲で晴れて、日中は汗ばむ初夏の陽気になりそうです。最高気温が関東から西で25℃以上の夏日となる所が続出しそうです。日曜の東京は25℃、仙台でも24℃予想と6月下旬並みとなりそうです。昼間は半袖でも過ごせるくらいの所が多くなるでしょう。体がまだ暑さになれていない時期ですので、こまめな水分補給を行うなど、油断せず暑さ対策をしっかり行ってください。
お花見時にも食中毒に注意!
季節外れの暑さとなる土日、お花見にお弁当を持って行ったり、テイクアウトやデリバリー、そしてキャンプなど屋外で食事をしたりする際は、「食中毒」にも注意が必要です。
食中毒の原因となるものは、大きく5つに分類されます。「細菌性」、ノロウイルスなどの「ウイルス性」、アニサキスなどの「寄生虫」、その他にも「自然毒」、「化学物質」が原因で起こることがあります。原因によって、起こりやすい季節や症状、潜伏期間などが異なってきます。11月~3月ごろ、低温で乾燥した時期は、ウイルスが原因となる食中毒が多く発生しています。一方、これからの暖かい季節、特に多いのが「細菌性」の食中毒です。
細菌性の食中毒を増やす「危険温度帯」
大阪健康安全基盤研究所によりますと、細菌によって増殖しやすい温度は異なりますが、一般的に20℃から50℃の間を「危険温度帯」といい、細菌が増殖しやすい温度です。特に37℃前後が最も細菌が増殖しやすい温度になります。暖かい時季は、細菌が増殖しやすい危険温度帯に食品が置かれる時間が長くなるため、細菌性の食中毒が多く発生します。そして、細菌の多くは湿気を好むため、気温が高くなり始め、特に湿度も高くなる梅雨時には、細菌性の食中毒がさらに増えます。
一方、10℃以下では細菌の増殖がしにくくなり、60℃以上では多くの細菌が死滅します。食中毒対策としては、75℃以上で処理することが重要です。
カンピロバクター、ウェルシュ菌、サルモネラ菌…食中毒を引き起こす様々な細菌
細菌の中には、少ない細菌数でも食中毒を起こすものがあり、その一つがカンピロバクターです。カンピロバクターは細菌による食中毒で発生件数が一番多く、肉類、特に鶏肉の生食や加熱不足が原因で感染します。
黄色ブドウ球菌は健常な人の皮膚や鼻腔、咽頭、または傷口などに広く分布する、ありふれた細菌です。弁当、おにぎり、サンドイッチなど調理のときに素手で作る食品が原因になることが多いです。潜伏期間は比較的短く、30分から6時間程度で、悪心・嘔吐、腹痛、下痢などの症状を引き起こします。
ウェルシュ菌は加熱しても死滅しない細菌です。カレーやシチューなどの鍋料理を常温で放置すると増殖します。調理後すぐに食べない場合は、すばやく冷まして冷蔵庫で保存し、細菌を増やさないようにしましょう。
その他、卵や鶏肉などから感染するサルモネラ菌、激しい下痢や水溶性の下痢、血便などの症状を引き起こす腸管出血性大腸菌O157、海産の魚介類などが主な原因となる腸炎ビブリオなど様々な細菌があります。
食中毒になったら下痢止めの服用は原則NG
食中毒の原因によって、症状や重症度は様々です。多くの場合、特効薬はなく、対症療法(症状に合わせた治療)を行うのが基本となります。腹痛、下痢、吐き気や嘔吐、発熱など症状がひどくなった場合、血便などの症状がある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。
<服薬のポイント>
下痢の症状があるときに、細菌性の食中毒が原因である場合は、下痢止めの服用は原則控えてください。食中毒の症状を改善させるためには、原因となっているものを体外に排出するという体が本来持っている防御機能を働かせる必要があります。むやみに下痢止めを服用すると、排便が進まず、治りが遅くなってしまうおそれがあります。下痢症状がみられる場合でも、市販薬の下痢止めを自己判断で服用するのは原則控えてください。一方、整腸剤は腸内環境を整え、おなかの調子を整える薬ですので、服用するのは問題ないとされています。
<脱水症状に注意>
下痢、嘔吐の時には体内の水分が不足しています。水分を補給する必要がありますが、腸がたいへん弱っていて水分の吸収がうまく行われないため、“少しずつ”がポイントです。不足した水分や電解質を補うには、スポーツドリンクや経口補水液がオススメです。ただし、冷えた水分は胃に負担をかけるため、常温で飲むようにしてください。温かい消化の良いものを食べ、刺激物などをとるのは控えてください。「温かくして、少しずつ、こまめに」を心掛けましょう。
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