利用する人がわずか5パーセントにとどまっているマイナ保険証ですが、武見厚生労働大臣が「“利用率に関係なく”健康保険証の発行を終了し、マイナ保険証に一本化する」と発言し波紋が広がっています。

【日本共産党 倉林明子議員】「(利用率が)50パーセントを超えていなくても、健康保険証の廃止はやるんでしょうか」

【武見敬三厚生労働大臣】「マイナ保険証の利用率にかかわらず、12月以降も医療機関への受診に支障が生じるとは考えていません」

18日に開かれた参議院の厚生労働委員会で、「“利用率に関係なく”健康保険証を廃止する」と述べた武見厚生労働大臣。

「マイナ保険証」は、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせたもので、現行の保険証はことし12月に発行を終了し、マイナ保険証に一本化されることが決まっています。しかし、全国の利用率は3月時点で5.47パーセント。利用者がなかなか増えないのが現状です。

■マイナ保険証の利用進めるクリニックでも「高齢の人は使い勝手が悪い」

大阪市中央区のクリニックではマイナ保険証の利用を進めています。

【初めて利用した患者】「マイナンバーのほうが(初診料が)安くなるからと言われて。簡単ですね」

受付の自動化や、正確な情報に基づく診療ができることなどがメリットとされていますが、午前中の診療でマイナ保険証を利用した人は36人のうち5人。利用率はおよそ1割にとどまっているといいます。

(Q.受付は保険証かマイナ保険証どっち?)
【クリニックの患者】「普通の保険証で。登録は昔したような気はするんですけど、使い方が分かっていないのでそのままにしています」

【クリニック患者】「今までマイナンバー使ったことない。出して使えるのか知らないし、使った方がお薬手帳も合併されるので楽だと思うんですけど、本当に使い方を知らないっていう感じ」

【小畠クリニック 小畠昭重院長】「病院かかるような高齢の人は使い勝手が悪すぎるから。病院側がマイナンバーカードを『使って、使って』と言わないかぎり、(利用者は)増えませんからね」

■政府は「医療機関に最大20万円支給」 その有効性に疑問の声も

そんな中、政府は医療機関がチラシを配布するなどしてマイナ保険証の利用者を増やした場合、利用人数の増加に応じて診療所で最大10万円、病院で最大20万円を支給すると発表しました。しかし、クリニックの医師は有効的な支援ではないと話します。

【小畠クリニック 小畠昭重院長】「『最大20万の補助金出ます」というのは、医師の間で話題になってない。(政府は)そんなところに20万かけずに、(カードを)家に送る郵送料とかに使って、オンラインで手続きできるシステム作ったらいいと思う」

健康保険証が廃止となる12月までに利用率はどこまで上がるのでしょうか。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年4月19日放送)