奈良県葛城市の古刹(こさつ)・當麻(たいま)寺で27日、市指定文化財の大きな金剛力士像(仁王像)を運び出す作業があった。経年劣化して修理されるためで、たくましい姿がぐるぐる巻きに養生され、寺を後にする珍しい光景がみられた。

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 寺の仁王門には、阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)と呼ばれる像高約3・4メートルの仁王像が立つ。今回は吽形像が、同県天理市の「なら歴史芸術文化村」の修復工房で修理される。

 この日はすでに頭部などが外され、しっかりと梱包(こんぽう)された体部が搬出された。普段は見られない、力強く「仁王立ち」を続けてきた足の裏も見えた。

 寺に残る阿形像は、「ミツバチの仁王さん」として知られるようになった。ミツバチが巣をつくったことで頭部が損傷し、同じく文化村での2年がかりの修理を終えて仁王門に戻っている。

 吽形像が不在の中、参拝者らを見守っていく。(清水謙司)

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