全国植樹祭が5月26日に岡山市で開かれ、天皇皇后両陛下が出席されました。天皇陛下は即位後、初めての岡山ご訪問、岡山にとっては、どんな意味があったのでしょうか。

25日午前、岡山空港に到着された両陛下。天皇陛下は即位後、初めての岡山ご訪問、皇后さまは初のご訪問です。ご滞在した2日間、沿道などでは3万3000人を超える人が両陛下を迎えました。

(迎えた人は…)
「感動した。テレビでしか見たことがなかったので」

26日午前には、森林保全の大切さを発信する全国植樹祭の式典に出席されました。

【天皇陛下のお言葉】
「(岡山は)木を切って使って植えて育てるという、林業のサイクルを循環させる取り組みが推進されるとともに、花粉の少ない少花粉スギやヒノキへ植え替えが進められるなど、森林が守り育てられていることを喜ばしく思う」

県土の7割が森林で占められる岡山県は、昔から林業が盛んな地域。今は木材のスギやヒノキなどが原因となる花粉症対策も新たな森林問題と位置付けています。

中国地方では先進事例となる花粉の少ない品種への転換を進めていて、植え替えるスギやヒノキでは99%に達しています。天皇陛下はお言葉でそうした点について触れたもので、皇后さまとともに花粉の少ないスギやヒノキを植樹しました。

岡山県では57年ぶりとなった植樹祭。伊原木知事も決意を示しました。

(岡山県 伊原木隆太知事)
「この植樹祭を契機に県民一人一人のさらなる緑化意識の醸成を図り、豊かな自然を守り育て、緑あふれる郷土を未来の子供たちにつないでいく」

その後は、2018年の西日本豪雨の被災地、倉敷市真備町をご訪問。小田川が決壊した場所に復興のシンボルとして整備されている「まびふれあい公園」では、約10秒間頭を下げられました。

その後、ほかの被災者を訪問して生活支援などを続けてきた被災者とも交流されました。

(被災した 中尾幸子さん)
「皇后さまから「あなたも被災されたからこそ回っていて、相手の気持ちが分かるのですよね」という言い方をしてもらい、胸が熱くなった」

今回のご滞在では、上皇さまの姉で、岡山の子供たちを楽しませてきた池田動物園の園長、池田厚子さんとも面会され、皇室と岡山の縁を印象付けました。

(前川裕喜記者)
「両陛下のご訪問を取材して感じたのは多くの県民が歓迎する中、岡山が大切にしてきたものに改めて光が当たったということでした。今回のご訪問をきっかけに大切にしてきたものを、さらに発展させていけるかが問われています」

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