第79期本因坊決定戦五番勝負第3局で、第1着を打つ余正麒八段(手前左)。同右は一力遼本因坊=三重県鳥羽市の戸田家で2024年5月30日午前10時、兵藤公治撮影

 一力遼本因坊(26)に余正麒八段(28)が挑戦し、一力本因坊の2連勝で迎えた第79期本因坊決定戦五番勝負の第3局(毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ特別協賛)が30日、三重県鳥羽市の老舗旅館「戸田家」で始まった。戸田家で本因坊戦が行われるのは前期に続いて通算12回目。前期、同所で打たれた最終第7局で井山裕太王座(35)を破って本因坊を初獲得した一力本因坊がストレートで初防衛を決めるか。それとも、余八段が1勝を返して反転攻勢をかけるか。

 対局場のある鳥羽市は朝から晴れ間が広がり、さわやかな陽気となった。戸田家の貴賓室「万景の間」に設けられた対局室からは眼下に鳥羽湾、遠くに渥美半島が見える。

 両対局者は午前10時前に入室。立会の結城聡九段が声を掛け、先番(黒番)の余八段が右上隅星に第1着を打ち下ろし、対局が始まった。開始早々、互いの三々に打って相手の出方をうかがう。その後は第1、2局と同様に早い展開になり、開始30分で50手まで進む。解説の伊田篤史九段は「しばらくは互角の進行が続くと思いますが、左辺の白、右辺の黒の地がどれぐらいになるかが焦点となりそうです」と話した。【武内亮、最上聡】

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