「人生100年時代!」と、まるでバーゲンセールののぼりのように見かける昨今だが、貧乏で長生きしてもね~と、根暗な私はすねている。仲間うちで交わされるのは「もうエンディングノート書いた?」だが、誰もが「いつかはね~」と言いながら目を泳がせる。

 映画の中の老夫婦は絵に描いたような亭主関白。夫の余計なひと言の連続に、見ている私も娘と一緒に「やめなよ!」と、とがめたくなる。その娘の結婚相手は葬儀社勤務であり、その父親は介護士。出来過ぎているが、見ている方は否が応にも自分の行く末を重ねて興味津々。

 ドタバタと喜劇仕立てだが、“笑って泣けて役に立つ”の看板に偽りなし。私もすねてばかりいないで楽しい終活を考えよう。カラフルなノートのプレゼントもあり、エンディングノートがやっと書けそうだ。

(スターシアターズ・榮慶子)

◇プラザハウスで13日まで、パレットで14日から

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。