「人生100年時代!」と、まるでバーゲンセールののぼりのように見かける昨今だが、貧乏で長生きしてもね~と、根暗な私はすねている。仲間うちで交わされるのは「もうエンディングノート書いた?」だが、誰もが「いつかはね~」と言いながら目を泳がせる。
映画の中の老夫婦は絵に描いたような亭主関白。夫の余計なひと言の連続に、見ている私も娘と一緒に「やめなよ!」と、とがめたくなる。その娘の結婚相手は葬儀社勤務であり、その父親は介護士。出来過ぎているが、見ている方は否が応にも自分の行く末を重ねて興味津々。
ドタバタと喜劇仕立てだが、“笑って泣けて役に立つ”の看板に偽りなし。私もすねてばかりいないで楽しい終活を考えよう。カラフルなノートのプレゼントもあり、エンディングノートがやっと書けそうだ。
(スターシアターズ・榮慶子)
◇プラザハウスで13日まで、パレットで14日から
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