文楽太夫の豊竹呂太夫改め、十一代目豊竹若太夫さん(76)の襲名披露公演が6日、大阪市中央区の国立文楽劇場で始まった。若太夫さんは第2部で時代物「和田合戦女舞鶴・市若初陣の段(わだかっせんおんなまいづる・いちわかういじんのだん)」を緊張感を漂わせながら情感豊かに語り、観客の盛大な拍手を受けた。4月29日まで。
「若太夫」は元禄16(1703)年、義太夫節の始祖、竹本義太夫の高弟が独立して初代を名乗った名跡。文楽太夫の豊竹姓の元祖にあたる。十一代目は祖父で人間国宝の十代目以来、57年ぶりにこの名跡を継いだ。
襲名披露の口上には、三味線の竹澤團七さん(88)や人形遣いの人間国宝、桐竹勘十郎さん(71)らが並んだ。團七さんは「豪快な中に情愛のあった先代の素晴らしい語りを受け継ぎ、後輩に引き継いでいってほしい」と祝いの言葉を述べた。若太夫さんは文楽の慣例に従い、言葉を発せず頭を下げた。
終演後、若太夫さんは「いよいよ若太夫や、という期待の圧を客席からも感じました。これからわき目も振らず、まっしぐらです」と意気込んだ。(田中佐和)
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