襲名披露公演を前に、桂米朝師匠の墓参りをした(右から)桂ざこばさん、宗助さん、米団治さん、南光さん=兵庫県姫路市の名古山霊苑で2021年7月20日午後1時9分、阿部浩之撮影

 上方落語界の重鎮で、人情味あふれる高座と熱い人柄で愛された桂ざこば(かつら・ざこば、本名・関口弘=せきぐち・ひろむ)さんが12日、ぜんそくのため亡くなった。76歳。ゆかりの人々が追悼の言葉を寄せた。

師匠・桂米朝の長男で弟弟子の桂米団治さんの話

新春の米朝一門会で鏡割りをする桂米朝さん(左)と桂ざこばさん=大阪市北区で2013年1月2日午後2時13分、竹内紀臣撮影

 ざこば(当時の朝丸)兄さんは私が幼稚園の時に入門され、本当によく遊んでもらいました。ボール投げ、缶蹴り、ザリガニ捕りなど、思い出はいっぱいあります。父は修業中の弟子を住み込ませていたので、私は長男でありながら、家には常に「お兄ちゃん」がいました。なかでも、ざこば兄さんは師弟愛が強く、「俺こそ、ちゃあちゃん(米朝の愛称)の一番の子どもや」という思いがおありになったようです。

 私が噺家(はなしか)になってからも、おかしいと思われた時は容赦なくしかってくださいました。何事にも一生懸命に振る舞われたお兄さん! お兄さんの落語に登場する人物は、どの人も「情」にあふれています。まだまだ追いつけませんが、お兄さんの教えを受け継いでまいります。本当にありがとうございました。合掌。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。