【対局中継】張栩九段ー山下敬吾九段 解説・高尾紳路九段【第49期囲碁名人戦リーグ】

 第49期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は17日、山下敬吾九段が張栩九段との平成四天王対決を制し、スコアを3勝3敗の五分に戻してリーグ残留に一歩前進した。敗れた張は1勝5敗となり、志田達哉八段(0勝7敗)に続いてリーグ陥落が決定した。残る陥落枠は2。生き残りをかけて熾烈(しれつ)な“落とし合い”が続く。

 負ければ2勝4敗となり、逆転残留を狙う張に並ばれるピンチで、山下は序盤に張の事前研究をかわすかのような大胆な手を放ち、早々に難解な読み合いに突入。“剛腕”の異名どおりに張の石を攻め続けたが、張も山下のパンチを浴びつつ耐えて互角のまま中盤戦へ。しかし張に中央の戦いで見損じがあったか、張は石の大きな塊をほとんど見返りのない形で山下に取られて形勢を損じ、その後も粘ったが及ばなかった。

 リーグ序列4位の山下が残すはあと2局。連勝すれば自力でリーグに残留できるが、1勝1敗もしくは2連敗だと他力本願となる。7月セミファイナルラウンドの相手は、逆転残留を狙う関航太郎九段(1勝4敗)だ。リーグの星勘定は「調子のいいときはするけど、負けが込んでいるときは面白くないからしない」という山下。スコアを意識せず、次も盤上没我でサバイバル戦に臨む。(大出公二)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。