大日如来坐像の立体的なコンピューター断層撮影でさまざまな角度から確認することができる=山形市の東北芸術工科大文化財保存修復研究センターで2024年6月14日、竹内幹撮影

 山形県米沢市の国指定史跡、普門院の木製本尊「大日如来坐像(ざぞう)」を修復している東北古典彫刻修復研究所(上山市)は同坐像の内部に仏像など納入品が多数あることを確認した。

 同研究所と東北芸術工科大文化財保存修復研究センター(山形市)は連携して調査を開始。同大でコンピューター断層撮影(X線CT)装置を使って高さ98・5センチの大日如来坐像を撮影し、腹部に約3・5センチの金属製仏像と阿弥陀(あみだ)如来とみられる約13センチの木製仏像、頭部に刀装具や10巻以上の巻物などがあることを確認した。

 同大の伊藤幸司教授は「二次元の画像では見えなかったものをX線CTで確認することが可能になった。修復するための貴重な情報を手に入れることができた」と語る。

 同研究所の渡辺真吾副所長は「仏像に多くの納入物が見つかるのは珍しい。これから類例を参考にしながら、多くの謎の解明に向けて調査を進めていきたい」と意気込む。【竹内幹】

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