宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は20日、2023年9月に劇団員の女性が死亡した問題を受けて中止していた宙(そら)組公演を約9カ月ぶりに本拠地の宝塚大劇場で再開した。開演前に村上浩爾理事長が登壇し、「大変なご心配とご迷惑をおかけし、改めて深くおわびします」と謝罪した。
「公演の万全を期すため」(劇団)として、通常のミュージカルとショーの2本立てではなく、ショーのみを上演。本拠地での公演も11日間に短縮している(東京宝塚劇場公演は7月20日~8月25日)。
この日は開門前から大勢のファンが劇場前に行列を作った。20歳のころからファンという奈良県の女性(80)は「パワハラをした(とされる)人が舞台に立つことには違和感があるが、全体的にはみなさんよくやっていた。二度と同じことが起こらないようにしてほしい」と話していた。
劇団員の女性は、前回の宙組公演初日に出演した翌日の23年9月30日朝、死亡しているのが見つかった。劇団は同10月1日から休演を発表。他の4組は順次公演を実施していたが、宙組は中止が続いていた。
遺族側は長時間業務と上級生らによるパワハラがあったと主張。劇団は24年3月末、当初否定していたパワハラなどを認めて謝罪し、公演スケジュールの見直しや外部相談窓口の設置などの再発防止策を発表した。【松室花実、水津聡子】
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