将棋の女流棋士、西山朋佳白玲(28)が23日に放送されたNHK杯テレビ将棋トーナメントで木村一基九段(51)に勝ち、棋士編入試験の受験資格獲得に王手をかけた。7月4日の朝日杯将棋オープン戦で阿部光瑠七段(29)に勝てば、女性で初めて2022年に受験した福間香奈清麗(32)に続き、受験条件を満たす。
棋士と女流棋士は別制度で、これまで女性が棋士になった例はない。女流棋士は、棋士が参加する直近の公式戦で10勝以上かつ勝率6割5分以上の成績を上げると棋士編入試験を受験できる。
この日放送された対局は5月20日に収録され、王位1期のタイトル経験がある強敵の木村九段を三間飛車で撃破。直近の成績が12勝7敗となり、次の公式戦で勝つと勝率が6割5分に届き、受験資格を得られる。
NHK杯の次戦の相手は藤井聡太名人(21)。西山白玲との公式戦初対局が決まった藤井名人は「西山さんは三段リーグで高い成績を残し、公式戦でも活躍しているので、棋士編入試験に王手をかけたことに全く驚きはない。NHK杯は早指しなので集中して対局に臨みたい」と話している。
西山白玲は終局後、「序列1位の先生(藤井名人)と指せるので、いい内容の将棋を求めて頑張りたい」と次戦への思いを話した。
西山白玲は10年に棋士養成機関の奨励会に入り、16年度前期から三段リーグに参加。2位以内に入ると棋士になれるリーグで19年度後期に3位となり、初の「女性棋士」にあと一歩まで迫った。20年度後期を最後に退会して女流棋士となり、現在は女流タイトル三つを持ち、女流5冠の福間清麗と2強を形成している。【丸山進】
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