■「国連人権理事会」で、旧ジャニーズ事務所「性加害問題」調査報告書を提出
旧ジャニーズ事務所の性加害問題などをめぐり、スイスで開かれている国連人権理事会の会合で、調査に関する報告書が提出されました。
会合には、実名で被害を訴えてきた、元ジャニーズJr.の男性も出席しました。
スイス・ジュネーブで開かれている、国連人権理事会。性加害問題などの調査を行ってきた作業部会が、26日、報告を行いました。
ジャニー喜多川氏の性加害問題については、「深い憂慮」が示されたほか、日本のメディアに対しても「不祥事の隠ぺいに関与してきた」と言及しました。
■被害を実名公表した二本樹顕理さん 会場で見守る
この様子を会場で見守っていたのが、元ジャニーズJr.の二本樹顕理さん(40)です。
二本樹さんは、ジャニー喜多川氏から性被害を受けたことを実名で公表し、作業部会のこれまでの聞き取り調査にも応じてきました。
【二本樹顕理さん】「国際社会の場で、発言の機会を与えて頂けたということで、非常に嬉しい一方、感慨深い気持ちもあり。ようやく、長年放置されてしまったこの問題に、光があてられたという実感を持っています」
ジャニーズJr.として活動していた13歳の時に、性被害を受けた二本樹さん。被害から逃れるため事務所を退所しましたが、その後もトラウマに苦しむ日々が続きました。
【二本樹顕理さん】「大事なものを失ってしまったというか、汚れてしまったような感じにもなりましたし。自分の存在を否定されたような感覚はありましたね」
■二本樹顕理さん「子どもへの性暴力をなくす活動」に取り組む
去年、旧ジャニーズ事務所での性加害問題が大々的に報じられるようになり、他の被害者とともに、実名で声を上げることを決めました。
今回、国連の会合で、二本樹さんはビデオでのスピーチを行い、いまも続く被害者たちへの誹謗中傷がなくなるよう、対策を求めました。
【ビデオスピーチ】「性被害者が、無視や誹謗中傷をされることなく、声を上げられるように」
二本樹さんは、この春から、家族とともにアイルランドに移り住み、子どもへの性暴力をなくす活動を続けています。
■「日本には人権侵害を生む構造が根強くある」と指摘
国連人権理事会の作業部会は、報告書で「日本には、人権侵害を生む構造が根強くある」と指摘し、政府や企業が協力して、多様性などを促進することが重要と強調しました。
【「ビジネスと人権」作業部会ロバート・マコーコデール議長】「企業内の問題などを明るみに出し、できれば政府に対し、より厳しい規制を取り入れるよう圧力をかけることが重要です」
【二本樹顕理さん】「今までこの問題を、日本は社会問題としてすら扱ってくれなかった。これから対話を続けていく中で、前向きな方向に動いていってくれることを願っています」
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