中銀カプセルタワーの一室や1960年代の国産初の温水洗浄機能付き便器も見られます――。いまの「INAX」ブランドを生んだ伊奈製陶(現在のLIXIL)の設立100年にあたり、手がけてきた歴代の製品などを展示した企画展が愛知県常滑市のINAXライブミュージアムで開かれている。

 1972年に東京・銀座に完成した中銀カプセルタワーは建築家の黒川紀章さんの設計で知られ、140個の住居用カプセルで構成された集合住宅。すでに解体されたが、トイレのついたユニットバスは伊奈製陶が手がけた。広場に置かれたカプセルの内部は入れないが、10平方メートルほどの部屋の様子は円形の窓越しにのぞくことができる。

 企画展示室では、戦前にモザイクタイルで作った鹿の壁画のほか、戦後に展開を始めた風呂釜やトイレなど水回り製品の数々が並び、技術の進化を紹介。会社設立前の明治時代に創業家が手がけた「家外小便所」の複製品や年表もある。

 企画展「なんとかせにゃあクロニクル 伊奈製陶100年の挑戦」は、来年3月25日まで。共通入館料は一般700円。展示内容と開発者などのインタビューを盛り込んだ書籍(企画展と同タイトル)も、税込み1650円で発売中。(伊藤裕香子)

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