棋聖戦5連覇から一夜明け、会見で記者の質問に答える藤井聡太棋聖=名古屋市中区で2024年7月2日午前9時34分、兵藤公治撮影
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 将棋の第95期棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)第3局で山崎隆之八段(43)の挑戦を3連勝で退け、5連覇を果たすとともに、史上最年少での永世称号となる永世棋聖の資格を獲得した藤井聡太棋聖(21)が対局から一夜明けた2日午前、名古屋市内で記者会見した。

 永世称号の最年少記録を2歳更新された中原誠十六世名人から「防衛力の強さに感心した」と祝福されたことに、藤井棋聖は「中原先生に評価していただけるのはうれしく思う。タイトル戦を戦うためには安定して指していく力が求められるので、今後もそうした力をつけていきたい」と語った。

 前夜は師匠の杉本昌隆八段から「おめでとう」とメールが届いたと笑顔を見せ、いつも通り対局を少し振り返って午前0時半ごろに就寝したという。

 独創的な将棋を指す山崎八段との今期シリーズについては「普段指さないような展開の将棋が多く、勉強になったし、面白いと感じるシリーズだった」と振り返った。また、王将戦、棋王戦、名人戦、叡王戦、棋聖戦と五つのタイトル戦をこなした上半期を総括して「さまざまな戦型を経験できたのはプラスだった。(失冠した)叡王戦では内容的にもふるわないところがいくつかあったので(今年の)後半に向けての課題」とした。

 渡辺明九段を挑戦者に迎える王位戦七番勝負が6日に開幕し、こちらも防衛すれば5連覇で永世王位の資格を獲得する。藤井棋聖は「すぐに開幕するので、そちらに向けて準備したい」と気持ちを切り替えていた。【新土居仁昌】

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