浮世絵師・歌川広重(1797~1858)の画業を総覧する展覧会「広重 ―摺(すり)の極(きわみ)―」(朝日新聞社など主催)が、大阪市阿倍野区のあべのハルカス美術館で6日から始まる。5日に記者内覧会があった。
広重は風景画の浮世絵で葛飾北斎と共に人気を集め、「名所江戸百景」はオランダの画家ゴッホが模写したことでも知られる。開館10周年を記念する今展では、ポーランド出身のフランス人コレクター、ジョルジュ・レスコヴィッチ氏のコレクションを中心に、国内外から集めた風景画や花鳥画、美人画など約330点を展示する(前後期で展示替えあり)。
風景画を中心に希少な初摺(しょずり)の作品を集めたことが特色の一つで、広重の三大揃物(そろいもの)「東海道五拾三次(保永堂版)」「木曽海道六拾九次」「名所江戸百景」(前後期で計60点)をほぼ初摺で見ることができる。浮世絵研究の第一人者でもある浅野秀剛館長は「名所絵のいいものに加えて、広重作品の全体像が分かる展示構成にしている。この規模での広重展はなかなか実現できないのでぜひご覧ください」と話した。9月1日まで(8月5日休館)。(西田健作)
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