NHKが今年10月、23年ぶりに基本給を底上げするベースアップ(ベア)を行うことが16日、分かった。業務職(管理職以外)約5800人の基本給を平均1・92%、月額6500円引き上げることで労使が妥結した。4~9月の処遇改善に相当する部分は一時金として支給し、定期昇給を含めた賃上げ率は平均3・4%で、月額1万1500円となる。
NHK関係者によると、同局では近年、若年層の離職が問題化している。今回のベアは若年層の処遇改善に重点を置いたもので、月額5000~9000円の範囲だという。退職手当や年金の額も基本給の増額に合わせて上昇する。
NHKは昨年10月の受信料1割値下げにより、令和8年度まで赤字予算が続く見込みで、6~8年度の中期経営計画では1000億円規模の事業支出削減を発表している。NHKの労働組合、日本放送労働組合(日放労)は「受信料収入が減少するなかで、生産性の向上を怠らず、コンテンツや技術の開発、訪問によらない営業手法の確立などで高まる労働価値の対価として」ベアを要求。経営側は妥結額について「予算の範囲内で最大限の回答」との見解を示したという。
今年の春闘では物価高を背景に各社の賃上げが相次いでおり、日放労は「賃上げの追い風も受けた」としている。
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