県内の魅力を再発見する「小旅」のコーナーでは今回、雨の日でも行けるスポットをご紹介します。越前市にある「ちひろの生まれた家」記念館では、日本を代表する絵本画家・いわさきちひろの没後50年となる今年、平和をテーマにした特別展が行われています。時を経て、ちひろが伝えるメッセージとは?
越前市の中心部、旧北陸道から少し東に入った路地に面してたたずむ、古い町屋があります。ここが「ちひろの生まれた家」記念館です。
ここではかつて質(古着商)が営まれていて、当時、武生(たけふ)町立実科高等女学校に教師として赴任していた、ちひろの母の文江が、お産のために離れを借りて暮らしていました。
そして1918年(大正7年)の冬、日本を代表する絵本画家・いわさきちひろは生まれました。壁や階段など、一部は当時のまま残っているものもあります。母・文江が暮らした大正時代の趣をイメージした部屋は、かつての面影を今に伝えています。2階には、ちひろの画業や生活をうかがえる写真パネルが展示されていて、歩んできた道のりを知ることができます。
東京の自宅に設けられた、1972年(昭和42年)ごろのアトリエの様子を忠実に再現した部屋は、左利きだったちひろが、右側から外光を取れるように机を配置し、左側に画材を並べたそうです。
そしてギャラリースペースでは、ちひろ没後50年となる今年、「平和」をテーマにした特別企画展が開かれ、長野の安曇野ちひろ美術館の協力を得て13点の作品が展示されています。
1918年に生まれたちひろは、青春時代のほとんどを戦争の中で過ごしました。そんな彼女が描く対照的な優しい世界、平和への想いを感じることができる企画展です。
ちひろが生まれた当時の面影を伝える特別企画展は、9月2日まで開かれています。
▼「ちひろの生まれた家」記念館
開館時間:午前10時から午後4時
休館日:火曜休館(祝日の場合、翌平日)
入館料:300円 ※高校生以下無料
アクセス:ハピラインふくい武生駅から車で3分、徒歩10分
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