鹿児島市では絵本作家・町田尚子さんの原画展が始まっています。作家の鋭い観察力と、猫への愛情あふれる作品を、美川アナウンサーがのぞいてきました。

美川愛実アナウンサー
「会場に入ると、たくさんの猫たちが出迎えてくれます。じっとこちらを見つめているようで、視線を感じます」

すきあらば物語の中に入っていく。

庭の垣根をくぐりぬけるようにいともたやすく、簡単に。

作者が見つめたネコの生きざまです。

7月12日からかごしま近代文学館・メルヘン館で始まった「隙あらば猫 町田尚子絵本原画展」。

町田さんは1968年東京生まれの絵本作家兼画家です。

2007年にデビューし、2016年に発表した絵本「ネコヅメのよる」でその緻密な描写から多くのファンを生みました。

こちらはパン屋のネコ、みいちゃんです。

お相撲さんのようにしこをふんで、パンの生地をこねます。

力強い腕やどっしりとしたお腹。

絵本の世界の猫なのに、こんな猫みたことある!と思わせる不思議なリアリティがあります。

その姿は至る所に。

主人公に寄り添ったり、まるで人間の会話を聞いているようなたたずまい。

破けた障子の向こうにも…やっぱり、いました。

まさに、すきあらば猫。

町田さんの猫は鹿児島にもやってきました。

この企画展のために描かれた作品「魔法の本」です。

猫がいるのは、企画展の会場でもあるここ、メルヘン館の読書コーナー。

2024年5月に町田さんが鹿児島を訪れ、制作したそうです。

魔法の本を見つけて不思議な力を手に入れたのかもしれません。

来場者
「色の使い方がきれいで猫の表情が豊かで、すごく可愛かった」
「猫がすごく好きなので、とにかく猫が可愛くてもう猫、という感じで最高でした」

Q.町田さんご自身も猫と一緒に暮らしている?

かごしまメルヘン館学芸員 大津あゆみさん
「そうですね。毛並みとか仕草とか、猫を飼っている人にしか描けないんじゃないかというところも多い。そこかしこに猫を登場させていて、物語に奥行きを与えている絵が特徴かなと思う」

町田さんの猫を慈しむまなざしが感じられる企画展は、9月2日まで開かれています。

企画展では8月4日、町田さんのサイン会が行われる予定で、かごしまメルヘン館のホームページから事前の申し込みが必要です。

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